NARUTO

□その口布にキスを
1ページ/3ページ

約束の日、甘味処で待っていると

「カカシせんせーっ!」

藤沢春歌。
ぱたぱたと駆け満面の笑顔をこちらに向け走って来た

「や!おはよう」
「おはようございます!カカシ先生!」

ハァハァと息を荒くして、暑くなった身体を手で扇いでいる

「そんなに待ってないから急がなくて大丈夫だったのに」

そう言うと、早く会いたかったんです!とキラキラの笑みを向けられた
そんな彼女の頭をポンポンと撫でたら一瞬にして頬を染めた

「さて、と…行きますか」
「は、はいっ」

身長145p、体重秘密!
下忍になったばかりの12歳!
ただ今、お隣のカカシ先生とお付き合いしてます!

きゃーーっ!
恥ずかしい!

両手で赤くなってしまった顔を覆い隠し隣を歩くカカシ先生を覗き見る
銀色の髪が歩く度にふわふわ揺れていて大概ポケットに突っ込んでいる腕が今は私の手と繋がっていてすごくドキドキする

「んー?どうした?」
「あ、べ、別に…」

ちらちら見てたの気付かれたかな、急に此方を向いたもんだから心臓が大きく跳ねた

落ち着いて春歌!
こんなんで焦ってたら計画が台無しじゃない!

そう、今日のデートで頑張って大人っぽくしてカカシ先生の、あの口布の下を拝んで見ようと思っているのです!

だから、服装も替えメイクもした。
これで少しは大人の魅力を引き出せたはず!
今日の服装はと言うと…
スッゴい丈の短いスカートに肩出しトップス、ヒールの高い靴
ヒールのお陰で10pは高くなった身長はいつもよりカカシ先生を近くに感じる

「どこか行きたい所ある?」
「え、と…」

カカシ先生の部屋!

「じゃあ何か食べませんか…?」
「オレおいしい店知ってるから、そこに行こうか」

私のバカー!!
意気地無しっ!

「あれ?もうおしまい?」

いつもより食べて無いよね?と私の目の前にある定食を見てカカシ先生は言った

「は、はい。なんだか急に食欲が」
「大丈夫?」

いつも完食、いやそれ以上におかわりする私が残すもんだから心配して今日は帰ろうかと提案するけれど、私はそれをぶんぶんと首を思いっきり横に振った

「大丈夫です!全然平気ですから!」
「そーお?」
「はい!ご心配お掛けしてすみません!」

立ち上がろうと足に力を入れるが、履き慣れていないヒールの為重心が上手く取れず

「きゃ、ッ」
「お、っと」

すかさずカカシ先生が身体を支えてくれた

「あ、ありがとうございます…」
「いーえ」
「痛っ」

お礼を言ってその身体から離れようと足に力を入れた時、足に痛みを感じた

まさか…

「捻挫だね」

そんなぁぁ………

がっくし、項垂れた

ヒョッコリヒョッコリ、カカシ先生につかまりながらだけど捻挫した足を庇いながら歩く姿は何ともカッコ悪い…

せっかくお洒落したのに、カッコ悪い姿見せちゃ意味が無いよ…
しかも、きっともうデートはおしまい

怪我しちゃったし、これ以上は…

「……まあ、なんだし…オレの部屋で少し休む?」

え!?

まさかのカカシ先生からのお誘いに目を見開いた

「その足じゃ、どこにも行けないしね」
「はいっ!行きたいです!」

二つ返事でカカシ先生の家にお邪魔する事が決まった


きゃーーっ!!
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ