NARUTO

□センパイ
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暗殺戦術特殊部隊(ろ)班に在籍。
コードネームはハナ。


「最近カカシ先輩見掛けないなぁ…」
「カカシ先輩なら暗部から抜けたよ」
「え!?」

私の声に反応したのは同じ特殊部隊の同僚のテンゾウ

テンゾウの言葉にビックリし過ぎて危うく木から落ちる所だった
カカシ先輩から何も聞いてない?と言われ私は首をふるふると振った

いつの間に?

「いつから?」
「結構前だよ」

ガーン………ショック。

「ショックって顔だね、ソレ」
「………殺すよテンゾウ」
「おいっハナ!任務に集中しろ!」

テンゾウとこそこそ話してたら他の暗部の先輩に怒られてしまった

「ご、ごめんなさいっ!」

キッとテンゾウを睨めば我関せずと言って知らないふりを決め込んでいた。内心イラつきながらも任務に今は集中し数時間後、無事に任務を終えた

「てーんーぞーうぅぅぅっ」
「怖…っ」
「あんた私と同じ班のくせに、いつカカシ先輩に会ったのよ」
「結構会ったりするよ」
「ずるいっ!」

ずるい!と抗議すれば着替えが済んだテンゾウはよいしょと後ろにあるベンチに腰を下ろした

「とりあえず早く着替えたら?」
「あ!本当だっ!」

よくよく見ればロッカールームにいるのは私とテンゾウだけだった
私はテンゾウにちょっと待っててーと言うと大急ぎでパパっと暗部服を脱ぎ捨てた
お待たせーとテンゾウに声を掛ければ何を言わずとも二人してロッカー室を出た

「じゃあ今からカカシ先輩に会うかい?」
「え?」

まさかの言葉に大きな瞳が更に大きくなったのをテンゾウは見逃さなかった

「うん、うんっ会いたい!」

こくこくと首を縦に振り過ぎたみたいで首を押さえ悶えていた
なんて忙しい人だ
こんな人の相手を毎日していたなんて暗部時代のカカシ先輩を少し哀れんだのは秘密。

所変わり、火影室

「綱手さまぁ…何でですかぁぁぁ?」
「誰だ、コイツをここに寄越したのは」
「綱手さーまぁてばー」
「えぇい!うるさい!大体さっきから言ってるだろ!答えは変わらん!!」
「ぐ、ッ!こ、こうなったら負けない!」

ハナは火影室に入るなり綱手様の机を思いっきり叩き抗議した
何故カカシ先輩を常駐にしたのかと

聞けばカカシ先輩は2ヶ月も前から暗部を抜けていたらしい、そうなれば2ヶ月も私はカカシ先輩と会っていない事になる
そして今、そのカカシ先輩は下忍の教え子を持っていると言う

上忍のカカシ先輩、可愛い子供達を教えるカカシ先輩、
あの逞しく滑らかな腕で、あの艶のある落ち着いた声で、あのなにを考えてるか分からない瞳で
どうにかこうにかカカシ先輩が見たくて、外に飛び出した

後ろで綱手様の止める声を聞き流し適当に街を進む
屋根の上を進み何十軒目かの所でカカシ先輩を発見した
あの銀色輝く髪と右目以外を覆うマスクと額当て

「カカシッせn……」

日中の強い日差し、暗部の私にとって日中、日が高い内の外出はほとんど無い為免疫がない
そんな中ものすごい勢いで駆けた私は目が霞み視界が反転した
落ちると覚悟した

だが、待てども待てども落ちる気配がない
あの、浮遊感と体の痛みは全く無かった

「あ、あれ?」

むしろ、体を支える優しい腕と誰かの気配
そっと、ぎゅっと瞑った目を開けた

「あ…」
「ビックリさせないでちょうだいよ」

目の前にいたのは、あの人

「カカシ先輩っ!」

両腕を広げ首に抱き付いた、おっと、と言いながらもその背中にソッと腕を撫でながら回した

「カカシ先輩、会いたかった」
「オレもだよ」

久しぶりのカカシ先輩の声に嬉しくて涙が出そう
元気そうで良かった、

「カカシ先輩、聞きました、担当上忍になったんですね」
「そうなんだよね、生意気な奴等だけど可愛くてね」
「私何も聞かされてませんでした」

ぷくっと頬を膨らませ拗ねてみた
そんな私の頬をつついて可笑しそうに笑った

「そうだっけ?言ったつもりだったんだけどな」
「私怒ってます」
「怒った顔も可愛いよ」

頬を膨らました私の頬をつつき終わると頭をぽんぽんと撫でた
それは、暗部の頃と変わらなかった
気持ちよさで目を細めるとカカシ先輩は優しい眼差しに変わった

「落ち着いたら言おうと思ったんだ、抜けたのも急だったからね」
「カカシ先輩…」
「悪かったね春歌」
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