NARUTO

□媚薬ぱにっく
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喉が熱く、頭もぼんやりとして頬が熱い
身体もフワフワしてる


「風邪引いたかな……」

夕方いつも通り報告書を提出し、ほっと一息ついた途端に身体に違和感を感じた

心なしか身体も火照ってる感じ

喉が痛い…とは、ちょっと違うけれど風邪だと判断した春歌は寄り道をせず真っ直ぐ家に帰る事にした



何の突っ掛かりもなく開いた自宅のドアに、そういえばと思い出す

「ただいまテンゾー」
「春歌おかえり、もうご飯出来そうだから座ってて」

今日は恋仲であるテンゾウが来る日だった
サンダルを脱ぎ捨て美味しそうな匂いが充満した部屋へと入る

「はー、疲れたー……」
「今日そんな、しんどい任務だったの?」
「んー……ちょっと風邪っぽくて」

フライパンを華麗にさばきながら、此方に振り返り心配そうに言うテンゾウは風邪と言う言葉を聞き慌てて駆け寄って来た

「え?うわ、本当だ。顔が赤いじゃないか、大丈夫なの!?」
「大丈夫だよ、子供じゃないもの」

不意に伸ばされた手は春歌のおでこへ

すると

「っ!」

触られた所から痺れるような感覚が身体を駆け抜けた

「え?どうしたんだい?」

春歌の反応にテンゾウはきょとんとする

「な、何……」

何かに目覚めたような、この身体は体の芯からうずくような感覚に襲われて

「な、なんか……変」
「春歌?」
「て、テンゾ……」
「きょ、今日はもう寝ときなよ、ほら立てる?」

本当に風邪なの……?
なんだか風邪とは、また違う感じ……


テンゾウに抱えられ奥の部屋の寝室へと連れられた
ソッと下ろされ、二人分の体重にスプリングが軋む

「ん、苦し……」
「苦しいのかい?ちょっと待ってて、今首のボタンを──」
「ひあっ」

敏感になった肌を細い指先が触れ体が跳ねあがり、思わずしがみつく

「やっぱり………」
「や、やっぱり……?」

春歌の異常な反応に眉を潜めたテンゾウはある結論に至ったようだ

「春歌、薬を盛られたんじゃないかい?」
「くす、り………あ!」
「思い当たる節があるみたいだね、これ媚薬だよ」

聞き慣れない言葉に春歌はきょとんと首を傾げる

「び、や、く。一種の催淫剤や発情剤だよ」
「は、え?催淫剤?発じょ…っ!?」

テンゾウの言葉に恥ずかしさのあまりかっと顔が熱くなる

発情剤!?

「ど、どうすれば治るの………?」
「どうすれば……って」

テンゾウの指先が再び首筋を掠める、それだけでぞくぞくと首筋に甘い感覚が走る

「僕がすぐに静めてあげる」

甘い快感にただ触れられただけなのに意識が飛びそうになる

黒い笑みを浮かべるテンゾウを見上げてコクりと小さく頷いた

「春歌はただ快楽に身を委ねていれば良いから」

耳元で囁かれ耳の奥が痺れる、そして耳朶に柔らかい唇が触れ身体の力が抜ける

そう、良い子だね、濡れた舌を這わせ唇は首筋、肩へと下りて
鎖骨へ……

びくびくと体が反応し、その度に声が僅かに漏れる

そして、ちくりとした傷みに、んっと切ない声が漏れる
肌に吸い付き痕を残し紅い華をいくつも咲かせる

指は紅い華をなぞり、反応を楽しむように肌をなぞるテンゾウにもどかしい気持ちになる

もっと、して

こんなんじゃ、足らない



激しく、淫らに、いつも以上に


「何?」
「………」

もどかしい気持ちでテンゾウを睨むと愉しそうに笑う

「言ってくれなきゃ、分からないよ」
「分かってるくせに……」

我慢できない

快感を今すぐ欲してる

「ん、っ」

我慢出来ずに、頭を持ち上げ唇を奪う

腕をテンゾウの首に絡め執拗に唇に吸い付く

「口開けて」

吸い付くだけのキスに痺れを切らしたテンゾウは触れあった唇から舌を差し込んで来た

頭を固定され、角度を何度もかえて柔らかい舌を堪能する
絡めて、吸って

それだけで、快感が溢れて止まらず肌にしっとりと汗が滲んだ

いつも以上に頭が痺れて、何も考えれない

いやらしく求める

「は、っあっ」

手慣れたようにシャツを捲し上げられ下着を外される

肌をさらけ出す形になってるが、今は恥ずかしいとか考えられない

首に腕を絡めてテンゾウの唇の端にキスをする

「焦らさないで」
「お返しだよ」

ふふ、と笑うと余裕だね、とぞくぞくするような甘い声が降って来た

途端に爪先から頭の天辺まで快感が走る

「あ、っ!」

テンゾウはそんな私を見て満足そうに笑っている

生理的な涙をこぼし甘い声を漏らし激しく揺さぶられ春歌は快楽にに身を委ねた









幾度となくテンゾウに愛を求められた春歌はぐったりとベットに横たわっていた

「う、ううぅ……腰が痛い……」
「悪かったね、無理し過ぎたね」
「テンゾウのバカー!変態っ痴漢っスケベー」

枕をばしばしとテンゾウに叩き付ける

「変態とは変態性欲者のことを言って痴漢は公共の場所で相手に羞恥心を抱かせ不安にさせる行為で、それからスケベと言うのは好色なこと、または好色な人の事を指す。よって僕は変態でも痴漢でもスケベでもない」
「ひ、開き直るなーっ!!」
「開き直ってなんかっ!僕は言葉の意味を正しく訂正しただけだろっ」
「きゃーっ!!変態ーっ!!助けてー」

腰が痛くて動けない春歌に迫るように身体を押し付けるテンゾウ
(実際は違う)

「ちょ、えっ!元はと言えば春歌が迫って来たんだろう?」
「私のせいにする気!?腰が痛くなるまで揺さぶったの誰よ!」
「揺さ…、ぶっっ」
「ギャーーー」

鼻血───────


こうしてテンゾウは変態、痴漢、変態のレッテルを貼られた

そして、妄想して鼻血噴いた男と、暫くの間に春歌と、それを愚痴った相手カカシに噂されるのだった




「変態だな」
「テンゾウ最っ低ー」




おわり
 

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