四神伝 〜天と悪の明日への道〜

□一章 第一話
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 3月の終わり頃。
 夜空に咲く鮮やかなピンク色の桜が、冷たい雨粒によって落ちて続けていた。
 そんな中を、駆け抜けていく人影があった。

 真っ赤な雨具を着こみ、近くのコンビニで買ってきた物をいれた袋を片手で濡れないように抱え込んでいる。
 もう片方には、くぼみに黄色の玉をはめ込んだ長剣を握りしめ、走っていた。
 フードを被っているため男性か女性か分からないが、身長170前後からして10代であろう。


「――はあっ!」


 剣を振るい、襲い掛かってくる物体を斬りつけて行く。
 斬られた物体は一瞬にして灰となり、雨の中に消えていった。







 

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