朱雀を受け継ぎし青年

□プロローグ
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「――いきなり過ぎるだろっ」




 それは、とある日のこと。
 友達の家に行こうとしていた二人の兄妹の前に、突如怪しい男が現れ「どうにかしてくれ」と頼んできたのだ。

「てか、母さん達に言えよ」
「お前達ではなければならないんだ」
「何その当たり前みたいなセリフッ」

 青年はとてつもなく嫌な顔をして男の頼みを断っていた。
 面倒ごとが嫌いな彼は、自分のいる世界ならまだしも、別の世界にまで行って救うなんて言語道断であった。










「うん、いいよー」

 だが、青年の妹が男の頼みをすんなりと受け入れの声をあげた。

「おい!」
「そうか、やってくれるのか」
「こいつだけ、こいつだけな!」
「なら、お前達をすぐに送ってやる」
「わ〜い」
「無視すんな! てかすぐ!?」

 青年が反対するも、足元が急に光りだしてきた。
 隣にいる妹も、地面から光が発している。

「では、頼んだぞ」
「覚えてろよおおおおおぉぉぉっ!!」

 叫びながら言葉を吐き捨てるも、青年は妹と共に光の中へと入り込んでしまった。








 光が消えると、青年とその妹、男の姿がどこにもなかった……





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