日本
□恋愛ゲーム
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顔が半分隠れるほど大きな眼鏡、長く顔を隠す髪、体型はぽっちゃり、性格は陰気、趣味は読書。
そんな私に告白する奴がいるなんて、それも星城学園のイケメン四天王の一人だなんて、そんな話があるはずない。
「山代鈴奈さん、俺と付き合って下さい」
そんな都合のいい、少女マンガのような展開があるはずがない。
現実はマンガのように上手くいかない。眼鏡を外した素顔は美人だなんてセオリーももちろんない。
何より、今まで自分に関心を全く持っていなかった人間からの告白を鵜呑みにするほど、私は馬鹿じゃない。
自他共に認めるネガティブな私が、自分に向けられる視線に気付かないはずがない。そうしなければ今まで自分の身を守ってこれなかったのだから。
「……はい」
だから、私が彼の告白に頷いたのは、彼を信じたからじゃない。
彼の思いを受け取ったからじゃない。
「こんな私でいいのなら、よろしくお願いします」
彼が本当に考えている『何か』を暴いて、自分が傷つかないようにする為でしかない。
深々と頭を下げてながら、私はそんな事をずっと考えていた。
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