たんぺーん

□狂ってる?知ってます。
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愛してるよ。













「……ッ言えよ!!
俺が好きって言えよ!!
愛してるって言えよ!!
言ってくれよ!!
で言ってくれねぇんだ!!
何で教えてくれねぇんだ!!
はお前を愛してるのにお前は俺を愛してないのかよ?
なぁなぁなぁなぁなぁ?
言ってくれよ、頼むから。
怖いんだよ。
お前が消えるのが怖いんだよ。
言ってくれよ。
愛してるって。
俺に確認させてくれ」

虚ろな目の人識。
俺の周りの人は既に肉の塊に。

可哀想に。

ごめんね?
謝る気なんか無いけど、
謝っとくよ。

俺を抱き締めて譫言みたいに
「愛してる」を繰り返す人識。

人識も、ごめんね?
これはホントに心の底からだから。

狂ってる俺を愛して、
人識も狂った。

俺を狂う程愛して、
狂った人識。

可哀想な人識。
可哀想な殺人鬼。



「愛してる愛してる愛してる
愛してる愛してる愛してる
愛してる愛してる愛してる
愛してる愛してる」

「俺も、愛してるよ」

「ッ……!!
愛してる愛してる愛してる
愛してる愛してる愛してる
愛してる愛してる愛してる
愛してる愛してる愛してる
愛してる愛してる愛してる
愛してる愛してる愛してる愛してる!!」

狂ったみたいに繰り返す人識。

あ、もう狂ってるっけ。
俺も人識も。

俺の背中にある人識の腕が
俺を力強く抱き締める。

あまりの力の強さに苦しいけど、
まぁご愛嬌だろ?
俺も人識を力一杯抱き締める。

「人識、愛してる」

「俺も、愛してる」

歪。歪だよねー、俺達。

周りから見れば、只の傷の舐め合い。

いや、人識の傷は何?
って話になるんだけどさ。

「ねぇ、人識」

「あ?」

「俺、死ぬ時は人識に殺されたいなぁ」

「……かはは!馬鹿言うなよ。
死ぬ時は一緒、だろ?」

「そりゃあそうだ」














狂ってる?あ、はい。



とっくに知ってます。




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