たんぺーん
□何があっても日常
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・瞬
朝、起きたら体に違和感があった。凄くダルい。
起きたくなくて。寝ていたくて。
いつもより布団が暖かい。
布団の中でゴロゴロしてたら部屋の扉が開いた。
「瞬ちゃあん……」
「んぅ……?」
「猫になっちゃったよぉ……」
珍しく、泣き声の春。
冗談だろ、と思って見たら見事に生えてた。
白い耳と尻尾が、ピクピク動いてる。
「…………瞬ちゃんも一緒だ!!」
「うわ!」
抱き着かれる。
春に生えてる猫の耳と尻尾が嬉しそうに動いてる。
つか、一緒?一緒って……、俺にも生えてるってか?
頭に手を伸ばす。……ある。布団の中を探す。……ある。
「グヘへ……。瞬ちゃん可愛いー……」
「さっきのしおらしさは何だ」
一瞬にして変態親父になったぞ、コイツ。
コイツに惚れてる奴の気が知れねぇ。知りたくないけど。
「学校……、行かなきゃヤバいよな」
「ヤバいね!皆萌えるよ!!」
「ウザ」
あー、そうだった、そうだった。
変態親父になったんじゃなかった。
元々だ。
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