たんぺーん

□何があっても日常
1ページ/5ページ

・瞬






朝、起きたら体に違和感があった。凄くダルい。
起きたくなくて。寝ていたくて。
いつもより布団が暖かい。

布団の中でゴロゴロしてたら部屋の扉が開いた。



「瞬ちゃあん……」

「んぅ……?」

「猫になっちゃったよぉ……」



珍しく、泣き声の春。
冗談だろ、と思って見たら見事に生えてた。

白い耳と尻尾が、ピクピク動いてる。



「…………瞬ちゃんも一緒だ!!」

「うわ!」



抱き着かれる。
春に生えてる猫の耳と尻尾が嬉しそうに動いてる。

つか、一緒?一緒って……、俺にも生えてるってか?
頭に手を伸ばす。……ある。布団の中を探す。……ある。



「グヘへ……。瞬ちゃん可愛いー……」

「さっきのしおらしさは何だ」



一瞬にして変態親父になったぞ、コイツ。
コイツに惚れてる奴の気が知れねぇ。知りたくないけど。



「学校……、行かなきゃヤバいよな」

「ヤバいね!皆萌えるよ!!」

「ウザ」



あー、そうだった、そうだった。
変態親父になったんじゃなかった。

元々だ。






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ