道草少女
□04
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「俺を弟子にしてください!!」
「・・・はい?」
少年から衝撃の一言をもらって開いた口がしばらく閉じなかった。
さっきまであんなに敵意むき出しのはずだったのに、なんなのだろうかこの心変わり用は。
単純なのか、純粋なのか。
今はすごく期待した目で私を見てくる。
まてよ?もしかしてこれはかなりいい展開なのではないだろうか。この少年を利用すればかなりの情報を得られるはずだ。
それに彼は素質がある。彼を育て上げて協力してもらえばかなり強力な戦力になるはず。
そうとなれば答えはもう決まっている。
「いいよ。君を強くしてあげる」
「いや、やったぜぇ!「ただし!条件がある」・・・?」
条件と言った瞬間少年は眉間にシワを寄せた。私が簡単にいいとでも言うと思ったのだろうか。
「まぁ、別に大したことじゃない。私が少年の稽古をつけているのを口外しないのと、この学園のことをいろいろ教えて欲しい」
「へ・・・?」
少年の考えていた条件とは全然違ったのだろう。ひょっとこみたいな顔をして目をパチパチさせている。
そんな少年に少し笑って話を続けた。
「私ここに初めて来たん・・・・ああああああああ!!」
「え、え、いきなりどうしたんすか!?」
そういえば、私今日来たばっかりでおとなしい女の子の設定だった。
私いつから素になっていた?少年にはもう私の本性がわかってしまったとうことになる。
「あああああ・・・・
少年・・・どうしようやってしまったああ・・・」
「え、なんかやばいことでもやっちゃったんですか?
ていうか、俺切原赤也って名前あるんすけど。
特別に先輩は名前でよんでもいいっすよ」
「ああ、うん赤也ね・・・
はぁ・・・ま、いっか。」
結果的には人のいないところで赤也にあわなければいいだけだし。
諦めよう。それにこうして素の自分になれる場所を作っておけばストレスもあまりたまらないだろうし。
「じゃあ、そうだなとりあえず今日の課題はねそのヒコザルを元気にさせるのと。
あと・・・名前をつけてあげること」
「名前・・・?名前って校則で禁止されてませんでしたっけ」
そう、私もここに入る前注意としていろいろ聞かされている。
その内の一つが自分のポケモンには名前をつけてはいけないということだった。
「いいのよ、むしろ付けなきゃダメ。その方がよりポケモンとトレーナーの絆が深く太く密度の濃いものになるからね」
「・・・」
「納得いかないのも無理はないよ。赤也はこの中のことしか知らないからね」
赤也はヒコザルをジッと見つめた。ヒコザルは嬉しそうに赤也に擦り寄っていた。
[ねぇ赤也!俺に名前つけてくれるの!?かっこいい名前つけてね]
ヒコザルはヒコザルで名前をつけてくれるのが嬉しくてものすごく喜んでいるみたいだ。
「じゃあ、赤也この学校のこといろいろ教えてちょうだいよ」
「う、うっす」
まず、校舎は東西南北の4棟があってすべての棟が学生と教師たちによって使われている。その他の建物は教師と生徒たちの寮それぞれいくつかに分けて立っている。
校舎内には教師しか入れない場所があるらしい。
それに噂では、幽霊や秘密の地下通路があるとかないとか。
あとは少し学校の行事についても教えてもらった。メインイベントが立海、氷帝、青学の三校代表バトルだとか。
各校の代表をクラス、学年と決めていき、校内のTOP5でバトルするらしい。
これは正直捜査を抜いて非常に楽しみだ。
そのくらいの話を聞いたところで私たちは別れた。
赤也は寮へ帰り、私はもう少しこのエリアを探索してから寮へもどった。
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