道草少女

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あー・・・。いつ来てもここはさみぃ。厚手のコートの中に四枚も来てきているのにまださみぃ。特に手先。ここだけはどうしても温まる気配がない。
この手袋外した瞬間の事を考えるとさらに身の毛がよだつぜ。

それよりもだ、なんでまたあいつは呼び出したりしたんだよ。先週おふくろさんのとこに顔見せに来たじゃねぇかよ。食料も替えの服もいつものように大量に持っていったくせに、なんの用事だ。
だいたいこういう時の用事ってロクなことがないのは幼馴染のおれがよ〜〜〜〜〜〜〜くわかっているつもりだ。


・・・・・・


やっとついたら目の前のこいつは「おそい」と不機嫌そうな顔している。全くこいつは相変わらずだ。
その環境に似合わない服装も、何考えてんのかよくわかんない顔も、今にもポケモンを出して勝負を挑んてきそうなところも。
「で、なんだよ」
聞くとやつはすぐに口を開いた。なになに?最近どっかに強いトレーナーいないの?お前、それを聞くためにわざわざおれをここまでよこしたっていうのかよ!!?マジふざけんなよ、俺だって暇じゃねぇんだよ!だいたい先週帰ってきてた時にもそれいってただろ!あ?もう倒した・・・・あ、そう・・。相変わらずで開いた口が閉じねぇよ。口の中そのまま凍って閉じなくなるぞ?うるせぇ!!変な心配すんな。
はぁ、わあった。強いトレ、あ!

その時思い出したのは、あの二人のポケモンだ。あのあとホウエンのチャンピオンからもなんか連絡入ったよな。多分もう少しで突撃命令だかなんだか入るって。聞けば何百単位のやつらと戦うんだから、強くはないだろうけどコイツもそれなりに楽しめんじゃねぇか?それに、俺の働く分が確実に減る!!やはり俺は天才か。
「おい、強いトレーナーもいるかも知んねぇけど、面白い話教えてやるよ」
こいつの目が一瞬にして輝きを増したのを俺は見逃さなかった。
食いついた。これは確実だぞ。


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