道草少女

□04
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寮で食事とお風呂を済ませ体をベットへ沈ませる。横からはボールから出している蘭が擦り寄ってくる。
蘭は眠いのか度々あくびをしていた。かわいい。私は蘭の触覚に手を当てそっと二三度撫でた。くすぐったいのか体をもぞもぞと揺らして目を閉じようとしている。

ヴー・・・ヴー・・・

ライブキャスターがなっていた。ダイゴさんが特別に付けてくれたバイブレーション機能だ。

ライブキャスターの端にあるボタンを押し応答し『『『『『『アンコ/ちゃん/チャン!!!』』』』』』

ライブキャスターの画面は私のを入れて全部で五つ。
青学組、氷帝組、伝達組、ダイゴさん。ダイゴさん以外のみんなは通信が繋がったとたん顔を画面いっぱいに近づけて大きな声で私を呼んだ。
耳がキーンってする。だ、大丈夫なのだろうか。周りに聞こえてはいないだろうか。

ま、まぁとりあえず。

「皆、一日目お疲れ様」


みんなは画面の中でにっこり笑っていた。

・・・・・

「さて、みんなどうだった初日の学校は?」

ダイゴさんは楽しそうな顔をしながら私たちに聞いてきた。

「立海は、そうだな・・・立ち入り禁止の場所がいくつかあって、怪しいなって思ってる。
あと、近いうちに三校でのバトルがあるみたい」
『青学はぁ・・・よくわかんなかった!』

蓮華と流星がテヘペロと可愛く言った。私は呆れ、氷帝伝達組は若干怒り、ダイゴさんは声を殺しながら笑っていた。
二人はみんなの反応で笑っているが、霙はやれやれと頭を抱え白夜に報告と耳打ちしていた。
『氷帝は怪しい先生がいた・・・』
「怪しい?」
『俺たち、ポケモンを見る時の目が・・・・・気持ち悪い』
『俺が実際に感じた視線だ。じとじと舐め回すように見たり、なんていうのか。俺たちをモノとして見られていた気がした』

私は思わず顔を歪めた。よく見るとダイゴさんもだ。
先生なのにもかかわらずポケモンをそんなふうに考えているとしたら、ロケット団にかかわらず許すことはないだろう。

「とにかく、まだ始まったばかりだ明日からも頑張ってねみんな。何かあればすぐライブキャスターで俺を呼んでくれ。それじゃあおやすみ」

ダイゴさんの言葉により私たちは床についた。
明日からもっと頑張らなくてはならない。霙と白夜の言っていた事がそれぞれの学校でもいたとしたら、みんなに危害が及ぶかも知れない。


・・・・・・


「へぇー、じゃあアコちゃんほとんど外に出たことないんだ」
「うん・・・。だからね・・!すごく今楽しいんだ。
・・・経験したことないのたくさんあるから」
「うんうん、いいことだね!あたしとアコちゃんと真理で買い物しに行こう!」
「・・・う、うん・・!」

なんとか友達と呼べる人は出来た。このキャラのせいで友達を作るのが大変そうだったが、なんとかできた。
ダイゴさんめ。なんでこんな設定にしたんだか。

さて、情報収集とでも行きましょうか。私は作った顔をだして二人に質問した。

「ね、ねぇ。ここの先生方ってどれくらい、いいるの・・・・?
生徒って、かなりいるけど・・・たりてるの?」
「あーそうだよね。ここの生徒だけで村とか作れそうだもんね」
「先生方ねどれくらいいるかは私たちもわからないけど、一様うまくやってるよね」
「あ、そうだ!アコちゃん!この学校にはねすっごい人気の先生がいるの!!」

友達1の明日香ちゃんが顔をズイっと前に寄せ、瞳をキラキラさせて話を続けた。

「この棟の保健の先生、阿部誉先生!!」
「誉先生すっごい優しくてかっこよくてセクシーでもう、とにかく完璧な先生なの!!」

明日香ちゃんに続いて真理ちゃんものってきた。どうやらかなりの人気があるみたいだ。
私が苦笑いで話半分で聞いていても、二人は気づかずに阿部先生について語っている。

「(阿部誉・・・ね・・・)」

私はその名前を頭の隅に入れておいて残り少しのサイコソーダをすすった。
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