道草少女

□06
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早めに来た赤也との修行場所は相変わらず、あまり陽が入ってこなく静かにポケモン達が歩いていた。

蘭を湖へはなし、私はそばへ座る。
何も動かずただぼーっと蘭を見つめる。

「本当に何か見つかるのかな・・・」

今日までこの学園内で何かを見つけたわけじゃない。
何も見つけられていない。

「はぁ・・・」

ため息を重々しくはいて膝に顔を埋める。しばらくの間そうしていたが、不意に肩を誰かにつつかれた。

私は焦り後ろを振り返る。目の前には

「え、昨日のピジョ、うわっ!!」

振り返ることによって後ろが湖になるのに気付かなかった。手は地面につくことはなく湖に沈み、体もそのまま湖にひっくり返った。

・・・・


「どうしたの、昨日のピジョンだよね」

私は上着を脱ぎ、自分の服や髪絞る。蘭が心配そうに見ているが目線はピジョンに向いたままだ。

[俺は・・・・あなたの仲間になりたいです
]
ピジョンは強く鋭い瞳で私を見る。それに対し私はキョトンとした顔でピジョンを見る。
今このピジョンは何といった?
私の仲間?

「私?」
[俺はあなたの下で戦いたい、あなたのその強さに惚れました]
「・・・・」
[あなたの下でいろいろな世界を見たい]


私はピジョンと同じ目線でこう返す

「ピジョン。私は今君を仲間にはできない。ここにいるのも今ちょっとした捜査でね。

でも、もしもこの仕事が終わって私がここからさる時が来ても、それでも、私と一緒に行きたいというなら・・・。

君を仲間として迎え入れるよ」
[・・・・それはいつですか]
「・・・・分からない、いつ終わるのか、成功するかも分からない・・・」

ピジョンはだまったままだったが[約束だぞ]と力強くいい、そのまま飛び去ってしまった。

「物好きだね、あのピジョン」
[そうでしょうか?]

蘭が首をかしげて答える。

「せんぱーーい!!」

林の奥の方を見ると、赤也が走ってやってきた。今日はいつもより早いな。
着くと同時にモンスターボールからヒコザルを出し、私のもとへ来る。

「って!先輩なんで濡れてんすか!!?めめめめっちゃ透け・・・!!」

そう言うやいなや、赤也は顔を真っ赤にし後ろを向く。
プレイボーイっぽいイメージだったけど、意外とうぶみたいだ。

「いや、ボーッとしてたら湖に落ちちゃって」
「でででも、そのカッコ・・・・
んもっー!!これ!!」

そういってテニスバックから取り出したのは赤也のきていたであろうジャージだ。
汗臭いっすけど、と言いながら渡してくる。
私はそれを受け取り、すぐさま着る。

「あ、濡れちゃうよ、このジャージ」
「洗って返してくれればいっすよ。洗濯の量減りますしね。

それより先輩!!」
「な、なに」

赤也がすごい剣幕で迫り話しかけてくる。

「今日、キャタピーコロネ落として、丸・・・赤い髪の人とハゲの人にあいませんでした!?」
「え、えーと赤い髪とハ・・・あああ!あったよ、キャタピーコロネ拾ってくれたんだ。
って、なんで頭抱え込んでるの」

赤也は「まじかよぉ・・・」と独り言を言いながらしゃがみこんでしまった。
何か問題でもあるのだろうか。

「まあとりあえず、バトルの練習するよ」

20131123
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