道草少女

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蘭の言ったことに一斉にみんなの顔が驚いた顔になる。主に男たちだが。

『アンコ!その三人はなんですか!!』
『もしかしてみんな男か!?』
『アンコ、男ならそいつらと・・・早く縁きって』
『アンコチャン男には疎いんだから、そんな簡単に近づいちゃダメだよ!!』

「いやー、僕もうかうかしてられないね」

なんてダイゴさんも変なことを言っている。旅をしている時もやたらと男のトレーナー達には厳しかったなこの四人は。
男のトレーナーとのバトルの時は相手のポケモンを容赦なくボコボコにしていたし、いきなり人型になって、必要以上にくっついてくるし。
私が男の人に疎遠なのはもしかしなくてもこの四人のせいな気がする。

「まぁ、その話は置いといて・・・火六と静はどんな感じ?」

四人は不満げな顔をしているが、仕方なくといった感じで火六と静は話し始める。

『カントーのジムリーダーはカツラさん以外は回りました。
ナツメさんとタケシさんはいつでも呼んでくれとのことです。後は確信があるまで保留だとか・・・。
あと、アンズさんのお父さんのキョウさんにもお話することができました。キョウさんが四天王とチャンピオンのワタルさんにも伝えてくれるといっていました』
『今はグレンにいるんだけど・・・でも、カツラさん・・・双子島にいるみたいで・・・。
明日・・・船で、双子島にいってくる」
「そう・・・。カツラさんが終わったら次はジョウトだけど、二人共よく休んでから向かってね。
私たちの中で一番辛いのは伝言組だからね」

二人はにっこり笑ってありがとうと告げる。本当によくやってくれている。無理だけはしないで欲しい。

「大体の情報交換は終わったね。
アンコちゃんはその場所にはまだ足を踏み入れ無い方がいい。ぼくももうすぐそっちに向かうから、それまで待っていてほしいな」
「『『『『『『『え?』』』』』』』」
「じゃ、またねー」

そのままダイゴさんとの通信は切れてしまった。
いまの“もうすぐそっちに向かうから”とはどういう意味なんだろうか。まさか自分まで
転校だか編入だかで来るのだろうか。

『どういう意味だろうね』
『あの人の考えていることは全くわからねぇ』
「何かやらかしそうで怖い・・・」

私たちは嫌な予感に身を震わせながら通信を切った。

蘭は肩をすくませモンスターボールに戻る。
そのままあたりを疑いながら倉庫から外に出た。

久しぶりの光に思わず顔を思わず歪める。視界もだんだん鮮やかな色に変わっていき、目の前に見えたのは・・・

「お前さん・・・何もんじゃ」

仁王雅治だった。


20140223
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