道草少女

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「さあ!やってまいりました!!校内対抗ポケモンバトル大会、それもいよいよ大詰め!

今日と明日はいよいよ立海の頂点に立つ生徒を決める校内対抗戦の始まりだあああああ!!!」
「「「「ウオオオオオオオオ!!」」」」

司会をする生徒の言葉に会場が一気に沸いた。

そして私のいる場所は、その校内戦を行うバトルフィールドの中央だ。私以外にもこの戦いに出る生徒たちがいる。真田、幸村、赤也。
小杉は昨日の私との戦いで使用できるポケモンがいない。そのため校内戦は不参加となっている。

そして会場の広さ。それはこの学園の体育館の何倍も広いドーム状になっておりどこの席も生徒でぎゅうぎゅう詰めだ。
ポケモンリーグでも中々この数の人を収容できる施設はない。ますますこの学園はすごいと、思わずため息が出る。

司会の人がバトルの説明を改めてしている中、ほかの選手たちの様子を伺った。
真田、幸村は何回かこの場に立ったことがあると聞いている。そのためか妙にほかの人より落ち着いていた。
今度は赤也の方に目を向ける。先ほどの二人に対して赤也は今回この場所にたつのが初めてだ。辺りをキョロキョロと落ち着きなく見回し、体も緊張のせいがガチゴチだった。
その反応に思わず笑ってしまう。

その笑い声が聞こえたのか、赤也がこちらに顔を向けた。拗ねたような顔をして口パクで何か言っている。
“何笑ってるんすか”そう、頬を少し赤くしながら言う赤也を可愛らしいと感じた私はおかしくはないと思う。

そして司会の説明が終わり、今回のトーナメントの発表だ。選手にも事前には知らされていない。
なので今初めて誰と対戦するかがわかるのだ。
みんな真剣な顔つきで上のモニターを見上げる。

ドゥルルルル・・・とドラムロールが鳴り響くせいか、自分の心臓の音が大きくなってく気がする。いきなり赤也や真田たちとは当たりたくない。

デン!!ドラムロールがやみ、ぱっとトーナメント表が現れる。目を凝らしてよく見る。私の名前は一番左端。一番最初の出番みたいで、相手は二個下の少年らしい。
とりあえず知り合いとはあたってはいないなと安堵しほかの選手の名前を探してみた。

するとどうだろうか、赤也の名前を見つけたがその対戦相手というのがうちの学年のトップになった真田くんだった。


もう一度赤也に目を向ける。彼は既に真田くんに顔を向けており、何かを言っていた。
彼のことだからきっと絶対負けないとかそういうことを言っているんだろう。
だが、彼は勝てるんだろうか。いや、きっと・・・・


「さーて、ここで全生徒の皆さんにビッグニュースでえす!!」


司会のいきなりの声に会場がざわめく。そんなことも気にせず彼は続けた。

「なんと今日、この学校創設以来の大物ゲストが今日来ています!それでは早速お呼びいたしましょう、ホウエンリーグ元チャンピオン、ダイゴさああああん!!」


は?


そして私たちのいた場所が揺れ始めた。危ないとみんなその場を離れるとそこに大きな丸穴があいた。
そこから人の頭がゆっくりと上がってくる。

「こんにちわー」

のんきに手を振りながら出てきたこの男は。紛れもなく私たちと一緒に作戦を実行しているツワブキダイゴだった。


なぜ彼がここにいる。そもそもゲストってなんだ。なんでそんなにいい笑顔で手を振って、愛想もふっている。
いや、ちょっとまてよ。そういえば以前みんなで情報交換をしていたときダイゴさんは何か言っていた。



「大体の情報交換は終わったね。
アンコちゃんはその場所にはまだ足を踏み入れ無い方がいい。ぼくももうすぐそっちに向かうから、それまで待っていてほしいな」



これだ。まさか、もうすぐそっちに向かうというのはこういうことなのか・・・!!?



20140818

また実習生活になります・・・
そして道草少女そろそろ折り返しです。


コスモ(小杉萌)
ロケット団幹部。成人している。
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