道草少女

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「嬉しいよ、また君と戦えることができるなんて。」
「私もです!あの、……全力でいかせてもらいます!!」


結果として勝ったのは幸村精市だ。

審判の声が響いた瞬間、会場は自分の声が聞こえないほど生徒の歓声で埋まった。
唖然としたのもつかの間、幸村精市の厳しい視線が私に向けられているのに気づいた。
ほんの一瞬だったがメドゥーサににらまれたように、体が動かなかった。


じわりじわりと汗が吹き出る。



そう、彼に恐怖した。
あの獲物をとらえたかのような鋭い目。
人をも殺しそうなオーラ。
それほどまでに彼が私に執着しているのは嫌でもわかった。


だから決めたのだ。このバトル、前回の失礼な行為を帳消しするくらいの試合をしようと。



「幸村精市vsアコ
試合開始!!」



「メガニウム日本晴れ!」
「ランターン雨乞い!」


いきなりの天候争いで室内に雲がまった
両者の指示出しはお互いによって不発になり、すぐさま次の指示が出される。

ちなみに今回のフィールドも、お馴染みの丸い草地をぐるっと深い水が囲むものになっている。


「ランターン、波乗り!」
「メガニウム、光の壁、リフレクター!!」

元々水タイプの技はきかないが、光の壁とリフレクターによって特殊と物理の攻撃がききにくくなる。
波乗りのダメージはほとんどといっていいほどなかった。


「メガニウム、エナジーボールだ」
「ランターン、チャージビーム。」

お互いに相殺しあい、すかさずにアコの「吹雪!」という声が響く。
だが、幸村は予想の範疇といった顔で、ニヤリとわらう。


吹雪の影響で草地のほとんどと、メガニウムの体、フィールドの水の一部分も凍りついた。


「それ、レアコイルと戦ったときに使った方法だよね。」
「は、はい。」
「二度目はないと思いなよ…!
メガニウム、地震!」


メガニウムは動ける足をつかい、凍った草地を砕いていく。水にいるランターンにはほぼ被害はないが、動き事態も復活したし、なにより草地が地震によってボコボコと岩場のようになったのだ。

これによって、あまりにも遠い距離からだと、障害物として盛り上がった土が役に立ってしまう。


「(くそ、完全に作戦を逆手にとられた。)」
「さぁ、どうする?
メガニウムあの場で待機だ。相手から来るのを待とう。」
「(だめだ、何処も盛り上がった土と氷で遠くからは攻められない。けど、それを理由に飛び込めば一撃でやられる。


だとしたら……此方も一発勝負になる!!)
ランターン、Maxまで充電。」


次の瞬間すべてが決まるとは悟った会場は多くのひとが息をのみ、瞬きもせずに、じっとその姿を見続けた。

ダイゴさんも、食い入るようにその結末を見届けようとしていた。


[ターン。(いいですよ、いきましょう)]
「うん、」


すうっと息を吸い、幸村を見た。


「ランターン、これで決めるよ!ワイルドボルト!!」
「メガニウム、ハードプラント!!」


両者の攻撃が光のように混ざりあい、それがすべて無に帰る。

どちらも動かない。
どちらが勝ったのかもわからない。
審判が慌ててかけより、それぞれのポケモンを確認する。



「えー、ただいま勝者が決定いたしました。


ランターン戦闘不能、勝者幸村精市!!」


20150108
あけましておめでとうございます。
12月に徐々に更新してきます詐欺をして随分たってしまいました。
すまねぇ…。実家にいるとなにもしたくなくなりますよね。仕方ないね。


この展開、皆さんよめてました?(笑)
今年も斜め上をいくようなものを書いていきたいですね
あ、あと今年、国家試験の年つまり最上級生になり、去年よりも更新回数減ります
けどやめたりはしないです。
待たせてしまう時間が増えてしまいますが、今後ともよろしくお願いします
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