道草少女

□21
3ページ/3ページ



あれだけ盛り上がっていたチャンピオンと幸村の試合はお葬式のように静まり返っていた。
誰もが先ほど流れたダイゴと女性の会話、ダイゴの言葉に思考が停止していた。
ダイゴの作戦の協力者である仁王はこの状態になるのは作戦の内だと知っていた。そしてここからが自分の役割である。
ボケっとしている司会者の生徒のマイクを奪い取り、マスクとカツラをとる。その行為は会場の大画面に映されており、生徒からざわめきが起こる。

「よーくききんしゃい。俺はさっき放送で流れていたダイゴさんに協力してなりすましちょった。さっきの会話の内容は全部ホントじゃ。名前だけは聞いたことあるじゃろうが、アコはそのダイゴさんと協力して、いま学園の地下にある基地にいっとる。アコはシンオウ出身じゃ。二人から話を聞いたがカントー以外にこの学園制度なんて常識はない。そう言っとった。
俺たちはロケット団に悪用されたままでええんか!?大事なポケモンたちが盗られてええんか!?俺は死んでも嫌じゃ!!
だから、言われたとおりこの学園は壊す。じきにジムリーダーたちも来る。
それまで、

おまんらの思うように行動しんしゃい。
できたら言うとおりにしてくれると俺は嬉しいぜよ」


仁王はそのままマイクをほおりだし、ダイゴのボスゴドラとともに外へ駆け出していった。

それに続いたのはアンコの事情を知っていた赤也だった。赤也も仁王同様に外へ向かおうとしたが、そこには教師が二人立ちふさがっていた。明らかにこちらに敵意を向けてきており、ボールかあらポケモンを出した。
彼らも本当のことをバラされて焦っているのだろう。鬼のような形相で「ここからは行かせねぇ!!」と叫んだ。その瞬間どこかから悲鳴が上がり、祭りのように騒がしくなった。赤也は炎月を出し対峙する。あちこちで生徒とロケット団との戦闘が始まっていた。

「炎月、ソッコーで倒して先輩を援護しに行くぞ!!」
[ギャア!]

だが、赤也にとって二対一のバトルなんてものは初めてだ。そんな戦い方に慣れている訳もなく、思うように攻め込めないでいた。
そんな時だ、

「トリデプス、ラスターカノン!!」

大きな銀色の塊に目の前の二体のポケモンは吹っ飛んだ。戦闘不能ではない。

「ジャッカル先輩!」
「赤也、お前もしかしてこのこと知ってたのか!?お前とアコでバトルの練習してるの知ってたから」
「う、み・・・みたんすか」
「とりあえず聞きたいことはいっぱいあるが目の前のやつ倒すぞ!モウカザルを援護するから、お前はひたすら攻撃しろ!
トリデプスまもる」
「了解っす!炎月、炎パンチ!!」


・・・・・


赤也side


先輩とロケット団を倒し、外に出てテニス部の先輩方と合流した。
先にいた仁王先輩が全部話してくれていたみたいで俺から話すことは特になかった。これからのことを話しているときだが、俺も仁王先輩もイライラしていた。基地に行ったのが先輩とダイゴさんでむちゃくちゃつえーとしても、二人だけはきつい。それに先輩はポケモンを一匹しか持っていないんだ。人数はいて困ることはねーんだから早く行かせてくれよ。

「あ、あの!!」

おれ、先に助けに行きますから。そう言おうとしたが何かが変だ。足が地面についていないのだ。下で先輩方が俺の名前を呼んでいるのが分かる。でもそんな姿もすぐにちっちゃくなっていって、ようやっと飛んでるということが分かる。上を見上げると見覚えのあるポケモンがそこにいた。
ピジョンだ。

「な、なんだよ!俺をどこに連れてくきだよ!!」

暴れればそのまま落ちて死ぬってことくらいは俺でもわかる。言うだけ言って、体自体動かすことはしなかった。
だが、その飛行もすぐに終わった地面に大きな穴がポッカリと空いていて、そこへ向かって降下している。もしかしてわざわざ俺をここまで運んできてくれたのか?
さっき言っていた基地であろう廊下に足をつける。そこは廊下が続いていて部屋とかはない。ここに二人は。炎月を出し、気合を入れなをして進もうとする。
だが、ズボンの裾を誰かにつままれ急なことに体は倒れることしかできなかった。
「うああ!」
後ろを振り返ると、さっきのピジョンが犯人だった。まだ何か用があるのか?
だが炎月は直ぐ様ピジョンに近寄り何かを話し始めた。こういう時、ポケモンの言葉が分かればいいっすね、そう柳先輩と話をしたことがある。

話が終わったと思おえば何かを俺に説明し始めた。必死にピジョンの右の翼を指している。ん?それがどうしたんだ?炎月は更にピジョンの右の翼にパンチする仕草をしてみせた。右の翼に攻撃?あ、もしかして

「お前、先輩がバトルした時のピジョンか?」

[ピジョオ!]とまるで正解というようになき、炎月も腕で丸を作って頭の上に掲げている。あっているみたいだ。ということは

「一緒に行きたいってことか」

同じように二匹は行動し、ピジョンも先輩のことが心配なんだとわかる。一回しか戦ってない野生のポケモンにも好かれる先輩ってやっぱすげー!

「うっしゃ!先輩のとこへ行くぞ!!」
[ギャギャ]
[ピジョ]


一人と二匹はろうかの先へと走り出した


20150301
最後の方まで集中力が持たないです・・・(´・_・`)
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ