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□寄道少女-弐-
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向かって走った先、長い廊下が続いていて向こうから誰かが叫びながら近づいてくるのがわかる。その後ろに何かがいるのも。だんだん近づいてくるそれは私の存在にも気づいたようで、何やら顔を青くしたり赤くしたり回りに花を散らしたり、しまいには泣きそうになりながらこう叫ぶ。

「妃っちいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」

黄色いキラキラした髪を揺らしながら来る彼はあの時の六人の一人。

「き、黄瀬くん!!?と、やっぱりゴースト!」
 
待ってくれ。待ってくれ!!!まさか、ここに来ている私達のほかの人というのは、あの時の六人だというのか!?だとしたら他に五人も居るということになる。ほかの五人と宝と、六人の宝を見つけるって、中々ハードじゃないか!?というかゴースト!くそー!火六と離れたのはやっぱり不味かったかな。それより、火六を思い出すとさっきので、でこちゅーを……思い出して、恥ずかしい!!!
だんだんと赤くなる顔を隠してる暇もなく、黄瀬くんと並走して元来た道を走る。どうにかして火六を此方に呼んでゴーストをどうにかしなければ。
 
「火六うううううう!!」

腹一杯の声を出す。こうすれば大体来る。いや絶対来る。(来なかったことがない。)隣で黄瀬くんが、え、誰?!?まさか!とか一人で落ち込んだり喜んだり忙しくしてる。面白いな黄瀬くん。 
 
直ぐに火六が来たのがわかった。前の方から赤光りする何かがくる。黄瀬くんの袖を引っ張り壁へと逃げる。ぶつかっても構わない。むしろぶつかるくらい壁に身を寄せないと危ない。
するとみるみる赤光りは近づきすぐに廊下全体が赤く燃えた。
 
暫くすると火六の吹いた火炎放射は次第に沈み、そこには瀕死のゴーストだけが残った。
 
「ふぅ、黄瀬くん大丈夫だった?」
「あわわわわ、妃っちぃ……ち、ちか、うううううありがとっすうううううう!大好きっす!!!」
「はっ!?」
 
壁際に身を寄せあってた黄瀬くんは何故か顔を真っ赤にしながら抱きついてきた。なんで!??いきなりの事に動揺を隠せない。というか力強ぉ!!ぬ、抜け出すこともできない。火六ううううう!!!

と念じたその瞬間。ゴッと鈍い音が響く。そして体の拘束もとける。

「大丈夫ですかアンコ!!!!もしかして燃やす相手はこいつでしたか!!!?こいつですよね!?!今すぐ燃やします、炭になるまで燃やします」
「ちょちょ!まって!まって!この人出るのに大切な人たちの一人だから駄目!」
「た、大切な人……!!!??」

違う!!
この後誤解を解くのと、黄瀬くんを起こすのに7分使った。先がものすごく思いやられる。
 
 
20170527
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