道草少女

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いよいよこの時が来た。

アンコの目の前に対峙するのは「絶対にバトルしよう」そう約束した丸井だった。
常勝のテニス部の丸井に、彗星のごとく立海に現れた期待のルーキーアンコ。
先程のアンコの試合より心なしか観客が多い気がする。

誰もがこの試合に期待し真剣に見つめていた。

「よろしくねブン太くん!」
「おう!よろしくなアコ。俺たちの天才的妙技、たっぷり味わっていけよぃ!」

そして響き渡る審判の先生の声。

二人はお互いのポケモンを出した。一気の会場の温度が高くなる。
ちなみに今回も前回の蘭とレアコイルがバトルした時のフィールドとなっている。

水タイプのチョンチーにとっては相性のいいバトルとなるが、相手は立海での代表になれるくらいの強さを持ったトレーナーだ。
今までのように簡単には勝てないだろうと確信してた。

出てきた丸井のブースターは元気良くなき、草原で戦闘態勢に入る。
対するアンコのチョンチー、蘭はすぐに水の中に潜り姿を隠す。

試合は既に始まっているが、どちらも動く気配はない。相手の出方を見ているのだろう。
その緊迫感は会場にいた誰にも伝わっていた。

先に動いたのは蘭だった。

「チョンチー、波乗り」

チョンチーの放つ波乗りは高く高く上がりブースターを巻き込もうとする。

「ブースターアイアンテール!道を切り開け!!」

いかにも無謀な行動だが、ブースターは波乗りを少しくらいながらも道を切り開きダメージを最小限に抑える。
だがそれを見逃すほどアンコは甘くない。

「チョンチー、隙を逃すな!ハイドロポンプ!」
[チョッチー!]
「ブースター、オーバーヒートで対抗だ!!」
[ブッスター!!]

威力は拮抗し軽い水蒸気爆発が起こる。爆発による風に二匹とも耐えすぐに指示が出される。

「ブースター高速移動、そして突進!」
「(水の中に入ってくる!?)チョンチー!ダイビング!」

チョンチーのダイビングする瞬間にブースターはとてつもない速さで突進してくる。二匹の距離は何センチもない状態だ。

「ブースター、アイアンテールで打ち上げろ!!」

そんな状態で回避が出来る訳もなくダイビングできずに空中に放り出される。

「チョンチー!!」
「ブースター!戻ってこい!そして炎の渦」

チョンチーには炎の渦が直撃し閉じ込められてしまった。身動きがとれずに、陸に落ちる。
丸井はこれを待っていたかのように瞳を輝かせる。

「おっしゃ、ブースター奮い立てるで怪力だ!」
「ちょん

ブースターが奮い立てるを使った瞬間、チョンチーの体が光りだした。

「チョンチー」
「おいおいおい、このタイミングで“進化”かよい!?」

そしてチョンチーの体は徐々に体を変えてゆく。誰もがその光景に息を呑んだ。まるでと気が一瞬止まったように。

だがこれはかなり危険だと察知した丸井はひるまずにブースターに突撃命令をした。

奮い立てるで攻撃力の上がったブースターがランターンに突っ込む。

[ターン!!]

ランターンのであろう鳴き声が聞こえた瞬間ブースターに雷が落ちる。
直撃だ。

[スタッ・・・]


そのままブースターは戦闘不能になってしまった。

そしてチョンチーの光は消え、出てきたのは進化したランターンだった。

「ブースター戦闘不能

勝者アコ!!」

白熱した試合が、ランターンに進化したチョンチーの勝利によって、終了した。



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