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□寄道少女-弐-
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少し愚痴を聞いてもらっても良いだろうか。
先日静が誰かによってナイトに閉じ込められて、ゲームの商品として賭けられた。なんとかゲームにかって静を連れ帰り、平和な日々が少し続いていた。
しかし今日の夕方また、あのときの声がした。

「やぁ、また遊ぼうよ!
今度は君のアブソル。またナイトに閉じ込めておいたからそれを見つけてね。今度はねシンオウ地方の森の洋館に隠しておいたから頑張ってね!それとアブソルナイトはもちろん一緒に持ってっていいよ、ふふ、僕ってほんとにやっさしいなぁ〜!
あ、最後に君と同じく宝探しに来てる子達もいるから、その子達の宝探しも手伝ってあげてね?約束だよ!」
 
相も変わらず長々しい説明の後目の前は真っ暗になった。

そして目を覚ましたとき、そこにはあの、心霊スポットとして有名な森の洋館があった。
怖いものは可もなく不可もなくといったところだが、わざわざ近寄ろうとはミリも思わない。だからだろうか。その圧倒的な迫力に冷や汗が止まらない。
草の伸びきった中心にある洋館。それは黒く煤けていて蔦も至るところに絡まっている。黄色い屋根だったんだろうが、煤と日焼けとで濁った芥子色に見える。
薄汚れた壁に嵌め込まれている窓は、ステンドグラスではないのに紫色に光っている。怪しさは倍増。
そのせいかはしらないが、天候も思わしくない。確か今日のシンオウ全土の天気は快晴だった気がするのに。
いや夕方というのもあると思うがまだ夏。日も高いはずだ…。

しかしここの洋館には白夜がいる。腰にあるボールを確認すると、案の定ひとつしかなかった。今回も仲間は一人だけなのね。
ボールの中心のボタンを押し、選ばれた仲間を確認する。

「アンコ!!無事ですか!!」
 
声と体に来る衝撃ですぐにわかった。
 
「火六か。また、やられてしまったよ…」
「そんな悲しい顔なさらないで下さい!この火六、直ぐに白夜を見付けます故!」
「うん、早く帰ろうか。折角の晩御飯無駄になっちゃうもんね」
「はい!」
 
キラキラと私にしか見せない笑顔を見せたところで洋館の扉に手をかけた。
 
あ、そういえば、私の他にも宝探しをしている人がいるんだっけ……。
確か、その人たちの手伝いもしてあげてとか。私みたいに仲間を奪われているなら、あいつは色んな人にそういうことをしているという証明になる。

ムカムカしながら中を潜ると映画で見たことのあるような光景がそこにはあった。目の前に見えるは大きな扉。その横には不気味なモンスターの石像が門番のように鎮座している。
脇からは二回へ繋がる階段が円を描くように延びている。床は一面茶色のタイルで覆われているが、所々ひび割れたり剥がれたりしている。

明かりはぼんやりとだが点いている。
 
「はぁ、なんで電気とおってるわけ……」
「全くですね、アンコ!大丈夫ですよ!私がそばにいますからね!」
 
最初から気持ちが重い私に対して火六は何処か機嫌が良さそう。自惚れではないが、たぶん私と二人きりでいれることが嬉しいのだろう。
紳士的に振る舞う彼は周りの皆に気を使ってか、はたまた、キャラを優先させているためか普段はこのように距離を詰めては来ない。十中八九理由は後者だろうが、果たしてこんな感じで白夜を見つけられるのだろうか……。
 
その時だった。
 
「うわああああああああああ!!!!」
 
男の叫び声が聞こえた。
火六と目で合図し音の聞こえた二階へと向かう。
あいつのいっていた私の他にたから探しをしているという人だろうか。
この叫び声から察するに何かが起きている。
二階から聞こえたのは良いものの、道は三つ。
正面と左右。
 
「私は左にいく!火六は右をみてきて!見終わったら直ぐに正面へいく、お互いを待たずに行動するから!」
「分かりました!」
「それじゃ」
「待ってください!」 
「は?!」
 
ふわっと包まれる。そして額に来る温かくて柔らかい感触。
は??何が起きた?
 
「無事を祈っています!」
「りょーかい……???」
 
二手に分かれ走る。だが、考えることは先程のこと。
まて、あれは何をされた?
抱き締められたような気がする。で?額にはなんだ?もしかしてキスされた????
急いでいたし、よく見えなかったから尚更よくわからない。し、しかもキスなんて!したことなんかないからどんな感じで……!!!
 
「ああああああ、火六の馬鹿!!」

余計なことをするから顔中が熱い!!きっと真っ赤っかになっているんだろう。後で思いっきり怒ってやる!
普段大人しい奴が一人になるとろくなことをしない。
 
 

 
いいネタを思い付いたとかおもってる阿呆です
更新遅くなりそう
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