少女禁区ぱろ

□嬉しい謙也
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いいんちょIF:四天宝寺にいたら(ホラー要素皆無)

私のクラス、三年二組ではテニス部に所属している白石蔵之介くんと、忍足謙也くんが人気者である。彼らは全国常連で、レギュラーでもある。そして見た目もいい。勿論、このクラスにはサッカー部の部長もいるし、陸上部の実力者もいる。皆かっこいい。もてもてである。でも群を抜いてテニス部の二人はモテる。それはもう芸能人のようだ。

そんなある日。先生の頼まれごとで教材を運んでいると曲がり角で謙也くんと一組の佐野さんが何やら話していた。雰囲気的にこれは・・・告白?なのだろうか。なんだか悪いと思いそのまま、隠れてしまう。そして聞こえてきてしまう会話の内容。

「あんな、忍足くんて白石くんと仲ええやん?せやから、これ・・・渡してもろてええかな?」
「あー、すまん。白石からそういうのは本人に直接渡して欲しい言われとんのやけど」
「そ、そうなんか!ごめんな、こんなこと」

そういって駆け足で向こうへ走り去っていってしまった。もしかして、忍足くんって私が思っているよりはモテない?あれは佐野さんみたいに、白石くんに近づきたくてよってきてるのかなぁ。忍足くんも心なしか落ち込んだようにその場を後にした。


・・・・


それから、何日かたった日。今日は外で体育。体力測定の一環で持久走が行われていた。
男子が最初にしている間、女子は幅跳びやら、砲丸投げやらをしていた。体力測定は平均的な数値を出しているが、得意な方ではない。こういうのは自分との戦いのような気がして全く楽しめないのだ。体を動かすことは楽しんでやりたい人間なので、得意でないというか、苦手というか。
砲丸投げを終えて水道に手を洗いに来ていた。友達も一緒にいて、同じ学年のあの人とあの人がーと恋バナに勤しんでいた。そしていつの間にか対象は私に。

「なぁなぁ、いいんちょは好きな人とかおらへんの?」
「うーん、いないかなぁ」
「え〜!ホンマに!?かっこいいと思う人とかもおらへんの?」
「それは思うけど、好きになるとかならないとかではないかな」
「ふーん。あ、せやったら!白石くんと忍足くんやったらどっちが好き?」
「え?」

なぜその二人に。うちは断然白石くんやけど!なんてニコニコ話している。
好きで選ばなければダメだろうか。すごくすごく期待した目で見られても困ってしまう。そして早く早くと急かされる。

「うー・・・強いて言うならだよ?強いて言うなら、忍足くんの方かな」
「え!まじで?ほんまに!!なんでなんで!」
「単純に白石くんはタイプではないのと・・・忍足くんってなんか、守ってあげたくなるというか、あと、笑った顔が素敵だよね」

彼女は一瞬真の突かれたような顔をするが、すぐにニヤニヤと笑い始める。なんだなんだ、そんなにおかしなことをいっただろうか。それともそんなに好きですと、直球な事を言ってしまっていたか?そんなことはないはずなんだが。頭に?を浮かべているとそれを教えてくれるように、口を開く。

「せやかて、いいんちょのそんな優しい顔、みたことないわ」
「え・・・?」

そんな顔をしていただろうか。
その時、女子の長距離が始まると、大きな声が響く。体育の先生の声だ。よく響くなぁなんて思いながら駆け足でグラウンドへ戻る。


・・・・・


いいんちょたちが去った後の水道に二人の影が差す。

「・・・・・」
「なんや、単純やなぁ」
「あかん・・・」
「そんなんで顔赤くなるん、珍しないか?もしかして、謙也も気があるんか!」
「ああああほ!ちゃうわ!!ただその、素直に嬉しかっただけや!!」
「へ〜」
「なんやその顔!ホンマやからな!!ホンマやで!?」


なんて騒いでいたらしい。


20161002
謙也って絶対白石の引き立てみたいになってそうという妄想からうまれたやつ
本編もやらなきゃー・・・
 

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