少女禁区ぱろ

□死にかけの主にズギュウウウンする獅子王
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・三つ目、驚かす

はー、もうほんとに政府に訴えたほうがいいんだろうか。これ拷問だよね?私日頃からなにか恨まれることをしてきたんだろうか。皆の鬱憤が、一斉に爆発してこんな状態になっているんだろうか。だとしたら政府側に訴えられるのは私なんだろうか。ダメだ。正常な考えができなくなってきている。先程から驚かすにはどうしたらいいか皆で丸くなってひそひそ話をしいる
ただそんな中監視役なんか何なのか、獅子王だけは傍に座りこちらの様子を伺っているようだった。

「ねえ獅子王、まだやひっくるのこれ」コソッ
「だって主!死ぬのが怖くねぇのか?!」
「いや、しゃっくりで人は「俺たちは、俺はスゲエ怖いよ!本当に大事なんだ・・・主のこと」・・・」

いや、そんなシリアスされても困る。親族が死んでしまったかの如く悲しそうな顔を見せる彼に、真実を伝えるのがなんだか躊躇われる。
どうやら向こうも相談事が終わったようだ。
そして長谷部が一人前に出てきた。
目の前に正座して、熱い眼差しでしゃべりだした。

「主、俺は今まであなたに隠し事をしてきました。ほんの少しの好奇心だったのです。しかし一度やってしまってからというもの、心を戒めても、体が止まってくれることはありませんでした・・・」
「はっきひっくり簡潔に言え」
「主の袴を何度も嗅ぎに行きました」
「ふぁああああああ!!?!?!???」
「ちなみに俺の嗅いだ袴を着ていることもよくありました」
「きっっっもちわる!!!!うぉえ、気持ち悪い!長谷部え!!おまえ、イケメンでもやっていいことと悪いことがあるんひっくだからな!!!」
「これもダメみたいだね・・」
「くそ!俺の力が及ばないばかりにっ!」
「ダメだよ長谷部君!自分をそんなに攻めてはいけないよ、でもごめん、僕も正直気持ち悪いと思った」
「燭台切!?」

長谷部の言ったことが本当ならタンスに今度から鍵付けなきゃダメだね。いらないことを知ってしまって、胸が苦しいよ。


・・・・・・


「ひっく、もうやめよ、私は大丈夫ひっくだから」
「あと、三十二回」
「主諦めちゃダメだ!」
「薬研くん、他に何かないのかい?」

焦って聞く歌仙に薬研は首を横に振る。それを見た和泉守の方の兼定が、「くそっ」と畳を叩く。堀川もその拳を気にしてはいるが私の方もチラチラと見てくる。
藤四郎組の短剣たちや小夜は泣き出すし、みんなはみんなで悔しそうな顔をし出すし。
嫌だからこんなことで私死にませんって、いつ言い出せばいいんだろう。タイミングを見失いすぎて、胃が痛いや。
もう日が暮れてきた。お腹もグーグーなっている。一番楽な解決方法はしゃっくりが止まることなんだろうけど、止まりそうにないなぁ。どうしたもんかね。

そんな時だった。獅子王が神妙な顔つきで前に出てきた。みんなもざわついている。独断で動いてるのか?そしておもむろに私の体を巻いていた縄を解きだした。を?とうとう正気に戻ったのかな?さすが近侍の大半を務めるだけあるな!!それに初期から一緒にやってきているなかだから分かってくれるか、うんうん。

「主・・・」
「ん?」

獅子王に優しく抱きしめられた。んんんんん?????どうした?どういうことだ?肩のあのファサファサが当たってくすぐったい。

「俺、主にずっと恋をしてるんだ。今もずっと」
「はい?」
「こんな気持ち持っちゃいけないってわかってる!でも、このまま主が死んじまうと思ったら、言わなきゃと思って」

体を話され、熱っぽい目が私を捉える。

「主、大好きだぜ」
「ふぁむ!??!?!?!」

顔が迫り、キスをされた。え、ファーストキスっていうか、柔らかいしなんかへ、変な感じが!!!だんだんと顔に熱が集中してきて、頭が爆発しそうになる。
後ろの方でギャーギャーと騒ぐ声が聞こえるが、不思議とこの状態を邪魔するものは一人もいない。てゆうか、いつまでしてんの、苦しい。息がもたない!!そして息をしようと口を開いた瞬間、ヌメリと何かが口内に入ってきたのが分かる。

「はぁ、ん」

なんだなんだこれはあ!!!え、エッチだぞこんなこと!これはいわゆるディープキスというやつじゃ!?それに、何度も角度を変えてついばむような感じになっていっている。そこに、反射的に漏れる自分の荒い息に気づいてしまい、顔だけでなく、体も熱きなってきてしまう。
てゆうか皆がバックにいるんですけど!!?!!?


・・・・・・


よくわかんないけど、長い時間が過ぎたのがわかった。体の力は序盤から入らなくなっていて、今では獅子王に支えられながら、いる状態。

ふと、唇がどんどん離れていった。
口元はベタベタ、目元もなんだか生理的に涙が出て、潤んでいる。
ペロリと口元を舐め、満足げに目を細める獅子王に、何も言えなくなる。むしろドキっとする自分の心は完全に騙されているということに気づいて欲しい。雰囲気に流されている女に成り代わっているじゃないか。

「主、大好きなんだ・・・本当に・・・」
「獅子王・・・」
「主がいなくなっちゃったら、俺も刀身を折るから。また、主のもとに呼ばれるように・・・。ずっと待ってるから」
「いや、あの・・・しゃっくりは百回してもだね、あれ」
「?」
「しゃっくり止まったかも」
「「「「「な、なんだってー!!」」」」」

バンっと廊下のふすまが開き、皆が山済みになってなだれ込んでくる。てゆうかお前らもさすがに気まずくて出ていたのか。乙。

「ほ、本当なのか?」
「ん〜、うん。全然出る気配がないし、大丈夫っぽいね」
「あ、あぁ・・あるじぃいいい」
「ぬお!!」

泣いて、叫んで、踊ったり、私のところにそのでかい図体で思いっきり突っ込んできたり。ハチャメチャになってるこの状況をどうにかしてください。体が押しつぶされて死にそうです。
本日何度目かわからない死に直面しています。

まぁ、でも。今日はなんだか皆からの愛を大変に感じることができる一日でした。




後日、獅子王とは気まずい期間が続いたが、皆のおせっかいのおかげか元の関係以上にはなりました。



20170312
最押しは鶯丸です
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