少女禁区ぱろ

□主を抱きたい長谷部
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「主……お願いがあります」

礼儀作法マニュアルに360の角度から写真をのせられているような、綺麗な土下座で長谷部は懇願してきた。ほぼ遊び場となっている審神者の部屋(私の部屋)にただならない緊張感が走る。斜め後ろに控えている近侍の大倶利伽羅もどこかピリピリしているから、想像している以上の言葉がこの後発せられるのだろう。
といっても大方検討はついている。「修行にいかせてくれ」が正解だろう。今までに修行に行かせてくれと懇願した刀剣男士は、三人。五虎退に平野、あとは青江。
あのドスケベ青江だって普段とは違って真面目に頼み込んできたし、刀剣が修行に行くことはそれなりの覚悟が必要なんだろう。(青江はOK出した瞬間、「一回りも二回りも大きくなって帰ってくるよ、比喩だよ?直喩が良かった??ふふ、帰ってきたら沢山触って確かめてもらってもいいよ」とか言ってきたのでゲンコツおみまいした)

長谷部は頭をあげて何時もよりキリリとした顔で口を開いた。

「抱かせてください」
「はいよ、いっとい、え、んんんんんん????」
「本当ですか!!!では、今からでも!!」
「ちょちょちょちょ!!!まって!!大倶利伽羅こいつ押さえて!!!」
「HA☆NA☆SE」
「よし、今日は大好物の炊き込みご飯にしてやる」
「ふんっ」

はい、嬉しい顔いただきましたー。って、それはいい、問題は今の長谷部の発言だ。抱かせてくれ???抱く?抱き締めるってこと?それともセックス?え?は?修行は?

「長谷部ごめん、今なんてお願いした?」
「主を抱かせてください。直球な言い方の方がよろしいですか?俺と性行為をしましょう!」
「バカヤロー!!んなことできるか!!」
「な、何故です!?」

何故ですって、長谷部って馬鹿なのか?ある意味馬鹿っちゃ馬鹿だけど、主人と従者、神様と人間、無機物と人間だぞ?いや、無理だろと言うか、そもそもそんなことをこいつらとしたくないだろ。私は将来オダ○リジョー似の人と結婚する目標があるから。

「では!この、俺の毎夜毎夜元気な長谷部はどうしたら!!」

といって自分の股元をみる長谷部。おいやめろ。いま中腰だからグレーゾーンだけど、リアルなやつやめろ。大倶利伽羅もドン引きしてるだろ。長谷部菌移るから、触りたくないですみたいな顔してるだろ。

「仕方ない、ほらよ」

もしものためと思って買っておいたTEN○Aを潰された段ボールから引っ張りだし、目の前に置く。

「なんですかこれ」
「説明書をみて自分でどうにかしなさい。男の体だもんな。私はわかってやれないけれど、これがあればどうにかなると思うから、もう下がりなさい」
「?はい」

大人しく去っていった長谷部をみてるとどっと疲れが押し寄せ来る。
大倶利伽羅もいる?って聞いたら舌打ちされた。


…………


何日かたったある日、また長谷部が来た。ちなみに近侍はずっと大倶利伽羅なので、大倶利伽羅も果てしなく嫌そうな顔である。どうせまたあのお願いなのだろう。勘弁してくれ。

「主を抱かせてください。TE○GAとやらは大変に素晴らしい文明の利器ですが、あれは一時的な欲求を凌ぐにすぎません。私はこの手で、この長谷部で主を汚したいのです」
「ねぇ大倶利伽羅、解刀したほうがいいよね」
「折れ」

辛辣すぎわろた。私より厳しいじゃん。でもそれ位しなきゃいけないのかもしれない。

「てゆうかそんなに抱きたいなら、夜這いでもしてくるのかと思ったわ」
「あっ!」

おい、そのいま気づきましたって顔やめろ。

「とにかく、ダメなものはダメです」
「もう俺はTE○GAでは満足できません」
「贅沢野郎か」
「主〜!!先っちょだけでいんです!先っちょだけ!」
「ふーむ、じゃあ明日まで待ってて」
「主!!」

やめて、大倶利伽羅引かないで。対策をするだけだから!長谷部はその日スキップしながら戦場へ行ったらしい。(前田談)


…………


「さぁ!主!俺と合体しましょう!」

障子をぶっ壊す勢いでやって来た長谷部の顔は、今までみたことないくらいキラキラしていた。何が奴にそこまでさせているんだ……!性欲だった。なんでこいつが神様なのだろう。近年、ブラック本丸とやらで夜伽をさせるという事例がいくつも上がっているらしいが、これもうわかんねぇな。

「長谷部ステイ」
「はい」
「大倶利伽羅、例のものを」
「…嫌だ」
「はよ!」
「触りたくない」
「近侍!」
「ブラック本丸だと政府に連絡するぞ」
「ごめん」

自分で立ち上がり、襖に隠しておいた“例のもの”を持っていく。
人の形をしたビニール風船だ。因みにとっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっても嫌だけど私の写真がプリントされている。もうお分かりだろう。ダッチワイフだ。

「これあげる。これで勘弁してくれ頼む」
「これは……」
「説明書はつけた、下がってくれ頼む」
「ですが!こんなに期待した俺に!こんなことって!」
『長谷部はこれで我慢しなさい』
「はい!」

とうとう言霊を使ってしまった。本当は自分の刀剣男士たちにこんな強制行動じみたことをさせたくはないのだけれど、こればっかりはしょーがない。

「大倶利伽羅、私よくやってるよね」
「しらん」
「っぐ、その冷たさが今は辛い」

でもこれ長谷部と同室のやつの方が辛いのでは?とふと思った。

「長谷部と同室って誰だっけ」
「鶴丸だ」
「あっ」

驚きばかりで狂喜乱舞しているのかそれとも、流石の行動に吐き気を催しているか。でもデリケートなことだし、時間と場所くらいは選んでるよね。


…………

さらに何日かたったある日、またきた。もう無理ヤらせろと、要約するといっていた。
私ももう無理だよ。
また言霊で強制的に遠征にいかせて、こんのすけに相談した。そしたらそんな馬鹿なことあるわけないでしょうと鼻で笑われた挙げ句、鏡まで見せられた。ぶっとばすぞクソ狐。とにかく見てみろと命令したら、ドン引きで遠征先から帰ってきた。政府に相談してみますと帰っていったけど、私謝られてないし、こんなこと政府にばらされるの?恥ずかしすぎて神隠しして欲しいわ。


…………


結果的に長谷部には特注VRゴーグルと、特注ラブドールが贈呈された。しかも私モチーフの。それ以来、抱きたいとか言いには来なくなったけど、控えめにいって死にたい。



20180310

審神者:特注品のために色んな検査されてお嫁にいけないと嘆いている
長谷部:でも本当は生身の主を抱きたい。好きな体位はバック
大倶利伽羅:流石に審神者が可哀想で、その日以来セコムになる
 

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