世界一初恋

□叶わない恋
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大学内でも外でも歩けば人が振り向く。

俺の隣を歩く気だるげなそいつはとにかくモテた。

共感もできる。
初恋に敗れてからというものこいつはいつもどこか遠くを見ている。その儚げな目をして危うげなその様子はどこか人を惹き付けるものがあった。

政宗は毎晩言い寄ってくる女を端から抱いていった。

まるでその行動は一人の夜は寂しいっていってるみたいで…

俺はそんな政宗が心配で定期的に身の回りのことをしてやっていた。

あいつの気がすむまでは好きにさせてやろうと思ってた。

だが、今朝大学から電話がかかってきた。内容は政宗の成績。自宅にかけてもでないから俺にかけてきたらしい。このままでは卒業すら危ないらしい。

これはさすがにやばいと思ってすぐさま政宗の家にむかった。

「おい、政宗いるか?」

扉を叩いても反応がない。
ノブを回してみるとどうやら鍵を開けっ放しのようだ。

あいつ…!

ズカズカと遠慮もなく入って真っ直ぐ政宗の寝室に向かう。

「おい政宗!鍵開けっぱなしだったぞ!」

「あぁ、忘れてたわ」

さっきまで女といたのか政宗の部屋はきつい香水の匂いが充満していた

政宗はベッドから起き上がって大きな欠伸をしていた

「…また女連れ込んでたのか」


「ん?あぁ」

悪びれもせず煙草に火をつけようとする政宗に腹がたつ。

「お前このままでいいと思ってんのか?」

「隆史説教なら聞きたくない」


冷たい眼差しを向けられると怯んでしまう


「…違うんだ、ただ俺はお前が心配で」

「なんで俺が心配なの?」

「そ、それは…」

きっとこいつは俺の気持ちなんてお見通しなんだろうな

なのにいつもお前は俺の気持ちに気づいてないフリして…

「いいよ」

「は?」

「だから、抱いてやってもいいって言ってんの」

「はぁあ?お前なに言って「それじゃ用はないから帰ってくれ」


それからは売り言葉に買い言葉でまんまとあいつの挑発にのってしまった。我に返って、時既に遅し。


そのまま政宗に押し倒されベッドになだれ込んだ。

「……ッア…ま、さむ……ね……」

着ていた服を中途半端に脱がされ胸を執拗に責め立てられる。

政宗の髪が上半身をかすめこそばゆく感じる。

今まで何回こうすることを望んだのだろう。

酒で潰れきった政宗を部屋まで連れて入る時、女との情事の後ベッドで裸のまま寝ているのをみた時

政宗の色気は自分を狂わせる。

角度を何度も変えられ荒々しいキスで息が苦しくなってきた。

「ハッ…政宗ッ…ッァア…く、るしッ…」

ようやく解放されて政宗の口から唾液の糸が俺の胸に落ちる。

それがなんだか妙に生々しくて自分の顔が羞恥で更に真っ赤になるのが分かった。
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