World Adapt(小説)
□who?
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「俺を知らないのか?」
アーノルドは少女の言葉に驚いた。
もし自国の人間だったとしたら自分の名前を知らない人間はいない。
他国の人間かと思ったが、どうやらそうとも見えない。
「私、梁瀬美春って言うの。
貴方は何ていう名前?」
自分の名前を聞かずして名乗り、アーノルドは怪しんだ。
自分は怪しい人間ではないと振る舞っていて、怪しんでいるのではないかと思った。
しかし美春はそんなことまで考えていなく、
目の前にいる人がどんな人なのか知りたい、
親しくなりたいとしか思っていなかった。
「俺の事は、アルと呼んでくれ。」
「うん、分かった。よろしくね、アル。」
アーノルド(後、アル)は信用できないため、自分の愛称を教えた。
しかし、美春は親切に教えてくれたのだと喜び、アルが本名だと思いこんだ。
「お前、ここらでは聞かない名前だな。
どこの国の者だ。」
「私は日本の東京都に住んでいるの。」
「ニホン?トウキョウト?」
聞いたことのない単語が飛び交い、首を傾げた。
美春も、アルの様子が可笑しい事に気付く。
東京と言えば、誰もが知っている首都で、海外の人ですら知っている。
それに、アルは白い鎧を身に纏い、大きな剣を背負っている。
人に会えたことで、最初は気にしていなかったが、
話している内に疑問を抱き始めたのだ。