World Adapt(小説)
□Beast town
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数分してアルは体中に傷を作って帰ってきた。
スラムの人間は、親切な人間ばかりではないので、なかなか情報をくれない。
気が長くないアルはいらいらして、喧嘩になったそうだ。
美春はそんなアルを、苦笑いをして、出迎えた。
「馬鹿だね、アル。確かに一刻を争うけど、そんなに慌てなくても良かったと思うよ?」
「あのな…。流石に世界の命運、託されてるんだぞ?焦りたくもなる。」
美春はアルの言っている事が最もだとは思ったが、頷こうとはしなかった。
「でも、焦っていたら、いつか道を間違える。
それなら正しい道を確実に進んで行こう?」
「…。」
アルはじっと美春の顔を見つめた。
口を微かに開けた状態で、と。
「な、何?」