World Adapt(小説)
□Participation
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美春の体調は一日で良くなった。
体調が良くなったということで、三人は次の階へと向かった。
歩いて行くと、微かに人の歓声が聞こえてきた。
空耳だと思いながら、歩き進めていくが、徐々に大きくなる事でそれが確信へと変わった。
「歓声が聞こえるが…。何かこの辺にあるのか?」
アルの一言を聞いて、突然ユニは熱くなった。
「貴方、この世界の住人のくせにコロシアムを知らないの!?」
「あ、ああ…。コロシアムとかには興味が無かったからな…。」
珍しく熱く、そしてテンションの高いユニを目の前にし、アルは押されていた。
隣で見ている美春は楽しそうに眺めていた。
「ユニ、楽しそうだね。」
「そんな簡単に流せる感じか、これ!?」
「ええ。私、一度出てみたかったの。」
「って、会話が成り立っていやがる!!」
暢気に会話している二人にツッコミを入れていたアルは付かれていた。
「何でそんなに疲れてるの?」
「…何でもない。それよりも、ユニは大会に出るつもりなのか?」
「出たいのは山々だけど、出場権が無いと出られないの。今回は諦めるわ。」
少し落ち着いたらしいユニは、残念そうにした。
「因みに何か貰えたりするの?」
「そうね…、確か高額の賞金は貰えたはずよ。」
「金、か。別に金は要らないだろう。」
話を聞いていたアルは、呆れていた。
仮にもアルは王族で、金に関して欲は抱いていなかった。
しかし、アルの発言は、美春の何かに火を付けた。