君こそ神様!+Heaven’s Security(小説)

□番外編1:……道案内……
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昔々のお話だ。
昔の日本には、八百万の神と呼ばれる神々がいた。
神々は、それぞれが司るものがあり、そして人の役に立ちたいとがんばっていた。
だが一人だけ、いや一神だけ?違う神様がいたのだ。

「おやおや…道に迷ってしまったようじゃ…」
一人の老人が道に迷っている。
そこへ若ものが近づいてくる。
「なぁ爺さん、道に迷ったのかい?」
「ん?あぁ、迷ったようじゃ。ワシは家に帰らねばならないんじゃが…」
「そうか、爺さんの家はあっちじゃねぇか?」
「ん?そうか?」
「あぁ、俺は、あんたと同じところのだからわかるんだ。まぁ爺さんは俺のことは知らないかもしれないがな…」
「そうか、そうだったか。や、ありがたい。助かった、ではな。」
そういうと爺さんは、若ものが指さした道を歩いて行った。
「本当に馬鹿な爺さんだな。」
若ものは、くるりと回った。
すると服が変わった。
よく神様が着ているような服に…
ただ眼には、包帯のようなものが巻かれている。
そして若ものは、木の上に飛んで行った。
若ものは、上から爺さんを見ているらしい。
「趣味が悪いぞ!道祖神!!」
「げ!!見つかった…、別にいいだろ!あんたに迷惑はかけてないぜ!国魂(くにたま)の神!」
「うるさい、お前は、いつもいつも人を惑わせてばかりで…」
「だってつまんねぇんだもん。人間って馬鹿で簡単に俺の言うこと信じるし…」
「それは神様だと思うからだろ!神様の言うことを聞かない人間がどこに…」
「俺は!!神様だからとか関係なくても信じるバカな人間で遊んでるだけ!とにかく迷惑はかけてないからな!じゃあな!国魂の神!」
「おい!!待て!!!」
道祖神は、国魂の神を振り切って木を飛んで遠くへ行ってしまった。
「つまらないか…」
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