君こそ神様!+Heaven’s Security(小説)

□第8章*君こそ神様(の使い)!
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俺は、未だにあの白い椅子に座っている。
テーブルは、いつの間にか消えていた。
「このまま待ってるのか…?」
歩きまわれば気が紛れるだろうか…
でもそんな気分には、ならない。
「はぁ…」
ため息が出る。
そこに1人の天使が舞い降りる。
「お待たせいたしました」
「へ?あ、えっと連れてってくれるの?」
「はい、お連れいたします。神様の元へ…」
天使は、俺の目の前に扉を描く。
するとその扉は、実体となった。
「・・・・」
言葉も出ないほど驚いた。
「さぁ、参りましょう」
天使は、俺がどうなってるかなんて気にも留めないで扉を開ける。
「後についてきて下さいね?」
俺は、言われるがまま天使についていく。

長い長い廊下を通る。
「まだですか?」
「はい」
天使の返事は、短い。
俺は、いい加減疲れていた。
身体がというよりは、精神的に…
ホントにつくのか?
俺は、疑い始めていた。
「いくつですか?」
俺は、思わず天使に年を聞いた。
「はい?」
天使の返事が変わった。
「何歳ですか?」
同じ質問をする。
「君たち、人間にはどのように見えますか?」
天使の返事が質問形式になった。
「俺にですか?俺には、幼く見えますね…」
「そうですか。ならそれが私の年齢と言うことでしょう」
「え?それって?」
「それ以上答えるつもりは、ありません」
天使は、口を閉じた。
俺は、やっと意思疎通が出来たと思ったのに突っぱねられた気分になった。
廊下は、相変わらずまっすぐだ。
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