水無月の夢

□6月5日
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「むー…」

外は雨。

ジメジメした空気が身体中にまとわりついてきて、気持ち悪い。

ちらっと姫を見ると、姫は猩影をあやしながら額にうっすら汗をかいていた。

………いや、別に何というわけではないんじゃが…

姫は、母となっても色っぽいのぅ…

うっすら汗をかいた額と少し赤く染まった頬に、情事中の姫を思い出す。

そうじゃ、いっそ、たんと交わって沢山汗をかいてから、風呂でさっぱりしたほうがスッキリするんじゃねぇかのぅ?

ぴん!と思いついた儂は、寝そべったままごろごろと姫に近付いて行った。

「あら?狒々様、どうしたんですか?」

儂に気付いた姫が、不思議そうに見下ろしてくる。

「姫、今日はじめじめするのぅ…」

「そうですねぇ…猩影も気持ち悪そうです…」

ふぅ、と溜め息を吐きながら手ぬぐいで汗を拭う姫の姿に、思わず自身が反応してしまった。

「姫、猩影を寝かせたら、儂とさっぱりしねぇかァ?」

「さっぱり…ですか…?」

「おう!さっぱりじゃ!」

笑顔で頷くと、姫も儂につられて笑顔になる。

「さっぱりしたいです!どうやってさっぱりするんですか?」

「それは、猩影が寝てからのお楽しみじゃ」

そう言うと姫はにこにこしながら頷いて、猩影のご機嫌伺いん始めた。




→おまけ&つぶやき。
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