水無月の夢
□6月17日
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びゅうぅぅぅぅ…
ガタガタガタッ!
ガタガタ鳴る雨戸の音に怯えた猩影が、ぐずぐすしている。
「やー…あぅっ!ふぇ…」
「猩影、怖いのー?大丈夫よ、ままがいるからねー」
猩影を抱いたまま顔を近付けると、猩影に頬をぺちぺちされた。
「だっ!だっ!」
「痛い痛い、猩影、ぺちぺちしたら痛いでしょう?」
仕返しに頬をぷにぷにすると、ぐずっていた猩影が笑う。
「あら、ご機嫌直った?」
「あー!!」
きゃっきゃと笑う笑顔を見て癒されていると、お昼寝をしていた狒々様がむくりと目を覚ました。
「あちぃ…」
「あら、狒々様、おはようございます」
のそのそと四つん這いで近づいてきた狒々様が、私に口付けてから猩影を覗き込む。
「猩影、ぱぱじゃぞぉ」
「だぶっ!」
ぺちん!
その瞬間に猩影がまた不機嫌になって、狒々様をぺちんと叩いた。
「あっ…」
「む…父親に何をするんじゃ!」
みるみる不機嫌になった狒々様が、ぷいとそっぽをむく。
「ほら猩影、ごめんなさいしましょうね?猩影、ほら…」
いくら言っても猩影もそっぽを向いていて、どうしたものかと眉を下げた。
→つぶやき。