水無月の夢
□6月11日
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本家から届いた手紙に一通り目を通してから、それをたたみ直す。
「緊急事態ですか?」
そんな儂の動きを見ていた姫が、心配そうに眉を下げて問いかけてきた。
「いや、いつもと同じ、定期総会の日程じゃ」
「そうですか…」
あからさまにほっとしている姫を見て、可愛いやつじゃ、と笑みを浮かべる。
「明後日らしいんじゃが、久しぶりに姫も行くと良いぞぉ」
にやり、と笑みを浮かべて言うと、姫は残念はそうに微笑んだ。
「でも、猩影がいるので…私はお留守番しています」
「いや、勿論猩影も一緒に、じゃ。鴆も来るじゃろうし、そろそろ遠出にも慣れさせて良い頃じゃろぉ?」
そっと姫の髪を撫でながら宥めるように言うと、姫の表情が一気に晴れる。
「だったら、行きたいです!」
「キャハハ!共に行くぞぉ!」
それはそれは嬉しそうに抱きついてきた姫を抱きしめてやると、むにゅ、と胸が押しつけられた。
おぉ…
これは、今から是非というあぴーるかのぅ?
ならば美味しく頂くかのぅ、と姫の着物に手を掛けた瞬間、猩影が泣き出す。
「ふにゃ!にゃー!にゃー!にゃー!」
「あら…お乳の時間かしら?」
するん、と儂の腕から抜け出して猩影の元へ向かう姫の背中を、恨めしく思いながら見つめる。
そして、儂が吸うはずだった姫の胸にしゃぶりつく猩影に恨めしい視線を送っていると、勝ち誇った顔をした猩影
と目があった。
→おまけ&つぶやき。