BOOK!!
□全て。
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『シズ、シズっ!』
静「あ..?お、●●か」
『あのねっ...』
少し前までは
●●とシズちゃんの間に入って
邪魔したりなんなりしてたけど、
最近は全くする気が起きない。
何でかって?
はっきりとした理由なんて
俺にも分からない。
けど、1つだけ
分かることがある。
怖いんだ。
『えへへ、それでね!』
傷つくのが、
怖いんだ。
♀♂
『あ!臨也!』
臨「やあ、●●。どうしたんだい?ここ結構裏の通りのはずだけど?」
理由なんて知ってるよ、
『えーっと、シズと会ってたの、』
えへへ、と照れながら微笑んだ。
知ってたくせに、
いらいらして
●●に会えたのが嬉しくて
けど何だかもやもやが
消えなくて
切ない。
『あ!そうだ!あのね、ちょっと前にパソコン買ったんだけど、使い方分からなくて..臨也教えてくれない?』
臨「あぁ、●●機械音痴だもんね、良いよ。明日家おいで、」
『なっ!たまたまあのパソコンが使いにくいだけなの!でも有難うね!じゃあ明日家行くねー、ばいばーい!』
●●がにこにこと
笑いながら手をふった。
それに答えるように
俺も手をふりかえした。
●●とは高校の同級生で
3年間同じクラスだった。
まあ俺色々やったしね、
入学して初めに話したのが
●●だ。
クラスの場所が分からないから
先輩教えて下さいって
同学年の俺に
しかもクラスの目の前で
言ってきた。
その時からなんだ。
●●に惚れたのは、
だけど●●は
最低最悪なことに
シズちゃんに惚れたんだ。
別に神様とか
信じてる訳じゃないけど、
その時ばかりは神様を恨んだ。
俺の方が先に●●のこと
好きになったのに、
俺が●●のこと好きな気持ちの方が
絶対大きいのにって、ね
そんな時俺の元に届いた
1つの情報。
ずる賢い方法だけど
良いことを思いついた。
まあずる賢いのは昔からだしね、
これが最初で最後の
●●に気持ちを伝える
唯一のチャンス。
♀♂
ピンポーン、
来た。
予定通りかな、
ドアを開けたとき、
『っふ..っ.』
泣きながらパソコンを持って、
『っふぇ..臨也ぁ』
俺の名前を呼ぶ●●が
立っている。
臨「っ!●●どうしたの!?」
あくまで今知ったように、
『っ臨也あ』
けれど、
臨「●●、とりあえず中入ろう」
全て予定通り。
臨「...そっか。シズちゃんと女の人が一緒にいた、ねえ」
泣いてる●●を見て
『仲良さそうに歩いてたの..っ』
罪悪感が募った。
臨「大丈夫だから、ね?」
そう言って俺は●●の頭を優しく撫でる。
『臨也ありがと..』
けれど反対に
●●が既に自分のものに
なったような嬉しさが募る。
さあ、俺のこの気持ちを
伝えよう。
臨「ねぇ、●●」
♀♂
●●said
臨也の家にくる途中
シズを見かけた。
話しかけようと思って
走り寄ったらそこには
いつもと違う風景が広がっていた。
『!』
女の人。
それもあたしとは
比べ物にならないくらいに綺麗な
年上の、
シズは格好良いからいつかはって
思ったこともあったけど、
こんな急に来るなんて..
頭の中はぐちゃぐちゃだった。
気付いたら臨也の家にいて
臨也が優しく頭を撫でてくれていた。
もう大丈夫って言おうとしたら
ねぇ、●●って名前を呼ばれた。