*P3P長編(キタ&ハム兄妹編)*
□2009.7〜8
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7月12日(日)
影時間
…何かの気配に目が覚めた。
「やぁ、また会えたね」
「…そうだな」
「ペルソナ使いとしての日常はどう?」
「まあまあだ」
「それならよかったよ。ペルソナはもう一人の自分、ペルソナ使いは自分自身の“ホントウ”から目をそらすことができない」
「難しいな」
「そんなことないよ?」
ファルロスはまた“終わり”について思い出したそうだ。
10年前にきっかけがあったと…
10年前…
爆発事故があったのも
タルタロスができたのも
影時間が始まったのも
両親が死んだのも…
全部10年前だ。
…頭が痛い話だ。
***
7月13日(月)
夜
みんな食堂に集まっているが空気が重い。
風花が気を遣って話し始めそれに順平が乗っかった。
海か…遠出なんてしばらくしていない。
「なら“屋久島”なんてどうだい?」
「理事長?!」
突然現れた理事長が屋久島への旅行を提案してきた。
「やくしまー!」
結衣は行く気満々なようだ。
「ねぇ湊、海なんていつ以来かな?幼稚園?」
「そうだな」
屋久島の話題で盛り上がり、重かった空気が少し軽くなった。
***
7月14日(火)
今日から期末試験だ。
当たり前だがタルタロス探索は中止し試験に専念した。
***
7月18日(土)
朝
月光館学園
「よ、よう」
「…はよ」
「結衣ッチ…一緒じゃねんだな」
「早勉するからって置いてかれた」
「へぇ。…今日で試験終わりだもんな。調子はどうよ?」
「…まあまあだ」
「そっか。なんか、さ…ストレスってかまぁ色々と解放されたいよな」
「そうだな」
…まだなんだかぎこちない気がするが、まともに話せただけよしとしよう。