短編
□もしも私が忍足侑士の妹だったら
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「なぁ亜紀、自分好きな人おらへんの?」
私の部屋に来てマンガを読みだしたと思えばいきなりそれか。
「別におらへんよ。」
「嘘つくなや、お兄ちゃんに言ってみ。」
ウザっ!
てか何?「お兄ちゃん」って。
キモっ!
「ホンマにおらんて。てか何でいきなりそんなこと聞くん?ウザいわ!」
「ウザいて…。実の兄に向って何言うねん。まぁええわ。今日お前が楽しそーに日吉としゃべってるん見たんや。」
お前は彼氏か!
私が誰としゃべっとってもええやろ!
「日吉君はただの友達やで。この前おばぁちゃんに貰ったぬれせんべいあげたら仲良くなった。」
「お前は桃太郎か!あと「ただの」っていうんが気になるわ。「ただの友達」から「好きな人」になることやってあるんやで。」
「少なからず兄ちゃんの方が好きやわ」
私は兄ちゃんには聞こえないくらいの声で呟いた。
「亜紀、さっき何て言ったん?兄ちゃんが何とかって。」
「秘密。」
「教えてぇな。」
何だかんだでウザいくらいかまってくれる侑士兄ちゃんが大好きです。
-end-