ポケモン BW
□トウコver
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トウヤは小さい頃から強がりで、いつも「平気!平気!」って笑って怪我ばっかりしてた。それもほとんどあたしのために…。
小さい頃のあたしはワガママで、でもトウヤはいっつもあたしのそばにいてくれた。
あたしはずっと【トウヤと結婚してずっと一緒に暮らす】ってよく言ってた。
チェレン、ベル、トウヤと別れて旅を始めても旅の途中でトウヤとはばったり会う回数が多かった。「やっぱ双子は考えることが似てるのかもね。」ってトウヤと笑った。
そんな中であたしはアイツに会ったんだ。
「アイツは絶対止める!」ってトウヤは言ってた。
でもあたしはアイツがすっごく哀しい瞳をしていることが気になったんだ。
そして理由は分からないけどトウヤもアイツに負けないくらい哀しい顔をしていることがあった。
でもきっとあたしがトウヤに「どうしたの?」って問いかけても笑って「何が?」って言うだけで教えてくれないことはずっと一緒だったから分かる。
多分、トウヤはトウヤなりに色々悩みもあるんだろう。
トウヤがアイツとバトルして勝って、アイツは負けた。
でもアイツもトウヤも清々しい顔をしてた。
アイツは【サヨナラ】って言った。
アイツの瞳にもう哀しさは感じなかった。
N「ねぇトウコ、僕は…僕のしていることは正しいことなんだよ。」
トウコ「……。」
N「友達のためにしてることなんだ。」
トウコ「じゃあなんで?」
N「…え?」
トウコ「なんで自分に言い聞かせるように言うの?」
N「!?」
トウコ「…確かにポケモンを傷付ける最低な人だっているかもしれないけど、そんな人ばっかりじゃないよ?」
N「……。」
トウコ「だって少なくともあたしやトウヤ、チェレンやベルだって皆ポケモン達を大切に思ってるよ。Nだってそうでしょ?」
N「…トウヤと同じことを言うんだね。やっぱり双子だからなのかな。」
トウコ「そうかもね。でも、きっとほとんどのポケモントレーナーは同じようなことを言うと思うよ。」
N「君と話してると僕の築こうとしている理想が崩れていってしまう気がするよ…。」
トウコ「そうしたらまた新しい理想を創ればいいの!あたしも一緒に考えるよ。」
N「トウコ…。」
トウコ「ん??」
N「な…なんでもない、またいつか言うよ。」
アイツはそう言ったことがあった。
アイツが行ってしまった後、あたしはトウヤに言った。
トウコ「いつか絶対に帰ってくる!」って。
トウヤは少し吃驚したような顔をしたけど、だってまだあの時の話の続き聞いてないもん。
今もトウヤは昔みたいにずっと私のそばにいてくれてる。
トウコ「トウヤは私に縛られないで自由に…、」
そう言うとトウヤの手はあたしの口を塞ぐ。そして笑って言うの。
トウヤ「これが今の俺のしていたいことだよ。」って。
トウヤ…、
大好きよ… 大好きよ…。
ありがとう。
ねぇ早く帰ってきて??
ナチュラル・ハルモニア・グロピウスくん…。