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□学級閉鎖
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おはよう。そう言って教室ドアを開けるとなんだか人が少なくて。早く来過ぎたかな?と時計を見ればいつもと同じ時間帯。
とりあえず荷物を置いてジンの元に向かう。おはようと声をかければ、また同じ返事が返ってきた。
「今日人少なくない?」
「みんなインフルエンザだって」
そういえばアミが機能メールしてきたな。といっても多すぎでしょ。ジンもマスクをしてるけど大丈夫かな…。
「ジンは大丈夫?」
「僕は風邪だと思う…大丈夫だよ」
「そっか、よかった」
するとまだ授業でもないのに先生が入ってきて、みんなを席に着かせた。そして学級閉鎖になるかもしれない…。といった。
一瞬にしてざわつく教室。先生はみんなをなだめると配布物を配った。もうすぐ実力テストなのになぁ…。と酷く落胆していて少し笑えた。
「先生、やっぱり学級閉鎖です」
となりのクラスの先生が入ってきて、担任の先生に告げた。先生はそうかと頷いて、みんなに告げた。
「みんな、来たばっかりで悪いが感染者が多いこの階は閉鎖だ」
みんなは声に出して喜べないからか、やけに顔がにやついている。ほぼ全員マスクだからわかりづらいけど…。
「早急にここから消え去ってくれよ」
先生、笑顔で言うから逆に怖いです。
その後家から出るなとか、もろもろの注意を受け、朝学校に着てから一時間もたたずに下校した。何のために行ったんだか…。
「ジン、今日遊びに行こうよ」
「でも先生が外に出ちゃいけないって」
「そんなの守るやついないよ」
「そうなの!?」
「あたりまえじゃん。で、どこ行く?」
「どこにしょうか」
よっしゃ。ジンと遊ぶ約束OK!どこに行こうか。ジンとならどこ行っても楽しいと思うけどね。
「じゃあアキハバラに行こうか」
「わかったじゃあ後でメールしてくれないかな」
「うん、じゃあとでね」
そう言ってジンと分かれた。あー楽しみ。早くアミのところまでプリント届けなきゃ。そう思って俺は走り出した。
「あのー、山野でーす」
「あらバン君ありがとう、今年のには気をつけてね。アミ、熱が高くてしんどいみたいだから」
「はい!ありがとうございます。それじゃあ」
なんちゃらは風邪ひかないって言うし…。大丈夫だよね。俺は家に帰ると仕度をして家を飛び出した。
「行ってきまーす」
「はいはい、行ってらっしゃい」
走りながらジンにメールを打つ。すぐに返信が返ってきて、遊びにいけるって。待ち合わせはいつも現地だし、早く電車に乗らなきゃ。いつも待たせてるしね。