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□モブとジンくんのお話
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朝起きたら体が重かった。上から圧迫されているような、そんな。うっすらと目を開ける。見慣れたブロンズの髪。整った顔。お兄さん…?なんで…僕の上にまたがって…?

「おはよう、ジンくん」

「……おはようございます…?」

覚束ない言葉でとにかくどいてもらおうと、重いですと言うが、お兄さんはにこにこ笑うばかりでどいてくれない。そんな攻防ともいえないような会話を続けているうちに僕の目も覚めてきた。覚めた頭でここにいる理由や、どいてほしいなど言葉をぶつけたが、お兄さんはさっきと一緒。にこにこ笑うだけ。

「お…お兄さん?」

「ジンくん」

初めてお兄さんが口を開いた。朝の挨拶以来。またがられている僕の体力を考えてかお兄さんは僕のベッドから降りた。フッと体が軽くなる。ほぅと息を吐いた。

「なんでここに…?」

「君と遊びに来たんだ。ねぇジンくん?」

「え……?」

「ねぇ…楽しいことしよう」

ガシャン!と手錠で手首を一つにまとめ上げられ、服を剥がれた。僕は訳が分からなくて、慌てて抵抗しようとしても、もう遅かった。叫ぼうと口を開こうとするがタオルを噛まされた。なんだかこれから行われようとしている行為が何となくだがわかった。ギュッと目を閉じる。なんで、今まで優しかったお兄さんが、あのお兄さんが。もしかして今日のこの時のための演技だった…?そんなことも頭によぎったがそんなことはないと自分の中で頭を振った。

「んー!んん!」

「ね、ジンくん気持ちいいから」

「んっんん!あっんんー!」

露わになった僕の胸を舐めて、いじくりだした。初めは何ともなかったその行為がだんだんと変に感じてきて、びりびりと背中に電流が走るようだ。僕は何とかその感覚から逃れようようと首をふったり体を揺らしたりした。でもその行為も逆効果で、今度は胸を噛まれた。痛みが走るがそれと同時に今までの感覚がもっと大きくなって、これは…感じる。と言うことなのだろうか。なんだか自分が怖くなって必死に抵抗した。

「身体はこんなに素直なのにねぇ…」

「んぅっ!んっんんーぅ」

行為が止んだと思えばお兄さんは僕のスラックスを長い指にひっかけるといとも簡単に脱がせてしまった。そして僕の局部を触る。ビクン!と体が跳ねた。なんで、なんでこんなことに。なんで僕が…。酷く淫らな快楽に苛まれながらも僕は必死に理性を保った。顔は酷かったと思う。悔し涙でぐちゃぐちゃだった。助けを呼べる相手もいない。誰も助けてくれない。だから僕はこの行為が早く終わってくれることを祈るしかなかった。



「ジンくんのここ、ぐちょぐちょだね」

「ん、んっ!んんん!」

「痛いの?それともイイの?」

「ぅんっんんん!んー!!」

お兄さんの長い指によって幾分か慣らされたそこにお兄さんのものが入っていく。お兄さんは体格もいいからとても多きい。普段入るはずのないそこにとてもそんな大きなものは受け入れられない。そう思った。そして、やめて。と口がきけない中で頼み込んだ。でも、お兄さんは緩く口元をほころばせるだけで無理矢理に僕に突っ込んだ。

「―――――――ッ!!!!!」

「痛かった?でも大丈夫だから、すぐ気持ちよくなるよ」

ジンくん締め付けすぎだよ。そう言って笑ったかと思ったらゆるゆると腰を動かし始めたものだから僕は痛みに叫ぶしかなかった。がつがつと求めてくる腰に僕は涙を流しながら耐え続けていた。何度中に出されても、何度内壁をそぎ取られそうになっても耐えた。耐えていれたのに。

「ジンくん、気持ちいいんだ?」

「!??」

なんで、そう思った時、お兄さんがある一点を突いた。その瞬間今までに体験したことのないような快楽が僕を駆け巡った。口から勝手に淫らな声が洩れて、僕は思わずのけ反った。なんだこの感覚。

「さっきからここに掠るたびにいやらしい声出して…ジンくんって変態なんだね」

「んっ…んんー!んぅっ…ん」

大丈夫。満足させてあげるから。そう言われ、お兄さんはそこばかり攻め立てた。僕はもうないがなんだかわからなくなって。保っていた理性もどこかに飛んで。訳のわからない感覚が不安すぎて、この後自分が何回イッたかももう覚えてない。


「ジンくん、ジンくん、もう、限界?」

「ああ、あうぅ…ひん…ううぅ…ああひっ!…んぁ…」

「綺麗だね…ジンくんは」

その後何を言われたかなんてもう覚えてない。自分は声の洩れるままに声を出していたから。ブツリとそこから記憶が途切れてしまっている。ただ次に目覚めてみるとお兄さんはいなかった。後処理もしっかりされていた。リビングのテーブルには朝ごはんまで用意されていた。でもそれを食べる気にもなれなかったし、お兄さんの料理なんてもう口にできないし、ここからももう引っ越そう。大体この街のシステムにも慣れてきた。少し休んだら…すぐに家を…家を引っ越そう。もう、夢だと思い込んで、バンくんたちには知られてないんだ。だから…もう…。布団をかぶった。頭では大丈夫、忘れようと思っても、疼く体が思考の邪魔をして、嗚咽が止まらなかった。

「もう…いやだ…」




fin
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