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□湯あたり
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ガラリと浴場のドアを開けた。今日はみんなでキャンプに来ている。やっぱり楽しいね。でもさすがにお風呂は浴場を使わせてもらった。
「バン、最後だから換気して電気消してきてね」
入ろうとした時アミにそう言われ俺は快く返事をした。
さっきまで山の中をオーディーンと遊び続けてどろどろになり、疲れた体を癒しに服を脱ぎ湯気が漂う浴場に足を踏み入れた。
まずは泥を落とさなきゃ。このまま入ったら番頭の人に怒られる。
シャワーの前に座った。ガシガシと体を頭を洗って汚れを流す。
さぁ湯舟に浸かろう。
ザパンッ。
「熱ちちっ」
熱いお湯に浸かり疲れを癒す。やっぱり気持ちいいなぁ。その時なにかが足に当たった。誰かがタオルでも忘れたんだろうか。
……にしては固い。
俺はそっちに回り確認すると驚愕することになる。
「え?」
そこには風呂の縁に腕を組んでその上に頭を乗せ、寝ているジンが。
いつからここに居るんだろう。こんなに居たら誰でものぼせてしまう。顔は真っ赤だ。早く上がらせなきゃ。
すぐさまジンを担ぐと脱衣所まで連れていった。
体を大雑把に拭くと一応パンツを掃かせた。黒いトランクスだ…。
床に寝かせると体は真っ赤で、荒い息をしている。フェイスタオルを濡らすと首筋と太股に宛てるように置いた。俺は設置されている扇風機をジンに向けた。
「ん、ぅ…」
「あ、ジン気づいた?」
「ごめん…バン君…」
「俺は大丈夫だよ」
笑ってやったらジンも安心したのかまた目を閉じた。
「ジン」
また大分経ってジンに話しかけた。もう身体の赤みも消えてきた。三度目くらいのタオル交換。といっても水で冷やすだけだが。
「なんだい?」
「今日は休まなきゃだけど、明日さ、夜抜け出そうよ」
「え?」
「今日遊んでるとき、広場があってさ、絶対星が綺麗だと思うんだ」
「…そっか、じゃあ…明日ね」
「うん」
約束した。早く明日の夜にならないかな。今の時期は流星群が見れるんだって。なにをお願いしようか。
そうだ、ジンと一生一緒にいれますように。