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□綺麗な星空だね
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「バン君ほんとにあるの?」
「確かこの辺に飛んでったんだ」
この敷地やたら広いんだけど…。やっぱりお金持ちは違うなぁ。
俺たちは昨日からジンの家に泊まっている。そしてバトルをしていたのだが…。俺が操作ミスをしてオーディーンが広い庭に飛んでいってしまったのだ。あわてて切り替えるがもう姿は見えず、俺のCCMからでは距離的に反応せず、こうやって探しに来ているのだ。音速飛行って言うのも困るもんだな。
「もう夕方だよ」
「そんなこと言ったって…」
「あんまり遠くに行くと迷うからさ」
「あとちょっとだけ!お願い」
「わかった…」
そこから真剣に探したが結局見つからなかった。しかも、夜になってしまい、周りは見えないし、CCMの電波は立たないし、完全に迷った。
「バン君、だから言ったじゃないか」
「ごめん…」
昼は少し暑かったからか二人とも薄着。しかしこの森(庭)はすごく寒い。
「僕、CCM持ってない…」
「俺電源落ちた」
別荘の光も見えないし、今光っているものといえば月のみ。ここからどうするべきか…。
「明日の朝まで待つしかないね」
「ごめん…」
とりあえず大きな木の下に行こうという結論が出て、俺達はその近くに腰掛けた。
「星が綺麗だ」
ジンにそう言われ上を見ると満天の星空が広がっている。なんて綺麗なんだ。
「本当、だね」
「迷ってよかったかも」
「え?」
「だって、迷わなかったらバン君と一緒にこの綺麗な空を見れてない」
「ジン、」
「だから、よかったのかも」
「好きだ」
「え?」
「ジンの事、好きだ」
「知ってる…僕もだよ」