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□学級閉鎖
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秋葉原にはすぐ着いた。駅から出ると時計の前でジンは待っていて、また俺が遅かったかとなんだか申し訳なかった。

「ごめん、まった?」

「いいや、僕も今来たところだ」

嘘つき。鼻と耳が赤くなってる。こういう所本当にやさしいよね。それに気づかないふりをして、俺は何か暖かいもの飲もうとジンの手を引いた。あ、手もこんなに冷たくなってる。次からは着いてからメールしようかな。

「バン君、あれ何?」

「え?あぁ、あれは対戦ゲームだよ名前はなんていったかな…」

確かカズが言ってたような気がする。えーと、何だー?

「やっていい?」

「え?するの?いいけど」

ジンがゲーム機の前に立つ。できるのかな。結構難しいらしいよ…?

「バン君、BGMはどの曲がいいかな?」

「じゃあ…、1ドリームで」

軽快に音楽が流れ出し、敵が登場する。ジンは攻撃のボタンを押していく。最初の方こそ簡単な動作だったもののそれはどんどん難しくなっていき、ついには目で追うのも難しい。こういうの得意なのかな。
…しかし、ジンは寸分の狂いもなくボタンを押していく。秒殺の皇帝って…すごい…。いつの間にか人だかりができる。勝っているからゲームは続くしで、もう何がなんだかわかんないよ。

「ちょちょちょ、ちょっと!」

「?」

「僕と戦いませんか?」

俺たちの前に現れたのは藍色の髪をしたメガネの男の子。ジンはいいよといって。その子を自分の前の機械に招いた。そして、みんなが見守る中その戦いは始まった。
しかし、案外すぐにその決着はついた。ジンの勝ちで。

「ぐぐぐ、もう一回です」

「いいよ」

また戦いが始まる。でもどうやってもジンの勝ちは揺るがない。いい加減に俺も飽きたからジンに耳打ちをする。相手の子もかわいそうだしね。

「ジンそろそろ負けて行こうよ、俺暇」

「え、あ、ごめん」

「それに相手、俺らより年下だろかわいそうだよ」

「そ、そっかごめん次は負けるから」

「うん」

その言葉どおりジンは負けた。野次馬が散っていく。俺たちも次に行こうとすると、相手の男の子が出てきて、俺たちに言った。(と。いうよりも怒鳴った。の方があってるかも)

「なんで最後、わざと負けたんですか?」

「君が強かったんだよ」

「嘘だ!僕、あんな屈辱初めてです。次は絶対負けませんからね」

「……ふ、楽しみにしてるよ」

そういってジンが微笑むと男の子は一瞬見とれて(?)からそれじゃあと言い残して帰っていった。もしや…ジンの事…ライバル出現か!気をつけないと…。

「これからどこ行く?」

「そうだね…」

「俺さ、LBXマガジン買いに行きたいんだけど」

「いいよ」

「あそこ人多いから…」

インフルエンザになったりしないかなー…なんて。ま、大丈夫か。

「じゃあ行こう」

本屋の近くにあるフィギュアショップにいつも人が溢れかえっていて、あそこ、空気悪いんだよ。

「あ、あそこだね」

「気をつけてね。巻き込まれちゃだめだよ」

「うん」

ジンはそう返事をしながらも俺の手から滑りぬけ、人波に飲み込まれていった。

「ジン!?」

「バン君ここー」

人波を見渡すと、ジンの腕がひょっこりと顔を出していた。急いで引っ張るとジンはよろよろになって出てきた。う、空気悪い…。思わず口で息をする。

「ごめん」

「大丈夫?」

「うん、なんか久しぶりに新鮮な空気吸った気がする」

「そっか」

その後は談笑しながらLBXマガジンを購入して、ミソラタウンに帰った。あー。今日は楽しかった。
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