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□豆合戦
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今日は節分だ。豆まきと恵方巻。あー楽しみ。
そうやってうつつをぬかしていると、CCMにメールが届いた。
「節分だから豆まき大会やりましょう…」
アミからだ。思わず音読してしまった。すぐに返信を打つ。もちろん参加だ。一斉送信で、リストを見るとシーカーのメンバーだけだった。ま、これくらいが普通か…。
そんな事を思っているとまたすぐにメールが来て、時間が送られてきた。これは…、早く用意しないと間に合わないな。俺は急いで支度を始めた。
「いってきます」
母さんに全て話して了承をもらう。さ、行こう。タッと家を飛び出した。ジンは来るかな。来てほしいな。
「アミ!」
「バン、早いわね手伝って」
「ああ!」
アミは大量の豆と、大きな恵方巻を人数分。それとお菓子を用意していた。
「アミー」
「あ、バン君」
お邪魔します。と言って二人がやってきた。そのすぐ後に番茶二人組もやって来たんだけど。
「みんな揃ったわね!」
「豆まきー」
みんな豆を持つ。さ、投げよう。鬼は外、福は内。バラバラと豆が散っていく。
が、俺の顔の横をすごい勢いの豆が通過した。
「!?」
「バン!危ないぞ」
何かと思えば、番茶二人組で雪合戦ならぬ豆合戦。この二人って何かとライバル心燃やすよね。本当は仲いい癖に。
「ジン、豆まき知ってるんだね」
「昔、一度だけやったから」
「ふーん」
ジンは豆を掴むと俺に投げた。!、いきなり何するんだ!?
「僕達もやろうよ、あれ」
豆合戦…。望むところだ!俺も豆を持ってジンに投げつける。ババババッと豆が飛び交う中それをうまく避けて豆を当てる。案外楽しいかも。これ。
「はぁっ、はぁっ…」
「疲れた…」
思わず座り込む。するとアミが恵方巻を持って、これ食べるわよ。とみんなに配ってくれた。おお、大きい。
「あー、うっめー!やっぱこれだよな」
郷田が頬張りながら言う。すると横から仙道が、
「ご飯ついてる、汚いねぇ」
「っるせ!」
何なんだこの夫婦感。俺もそんなことジンとやりたいのにな。
「アミ、これでかくない?」
「文句ある?」
「いえ、めっそうもございません」
「冗談よ、ちょっと大きく作りすぎちゃったの」
「これ、手づくりかよ。すげーな」
「そんなことないわ」
なんだか向こうもいい雰囲気。おおお!俺も、ジンと!
「ジン」
「むぐ、ん、なに?」
ちょちょちょ、その、両手で持ってくわえる仕草止めて!俺、何か違う方に見えるから!
「いや…別に…」
「ふ、…ん…」
ブチリと噛みちぎったところで雰囲気終了。俺、噛みちぎられたら…きっと死んじゃう。
「美味しいね」
「うん」
そういうのはまだ俺達には早いのかも。ゆっくりと、マイペースにいこう。
「ジン、喋っちゃダメなんだよ」
「あ…」
みんな喋ってるけどね。
追記(2/4)
配布期間は終了しました。ご了承ください