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Side 拓也

さぁ、何をしようか。檜山はブルーキャッツ再建か。確かに養育費とかなにかといるしな。

「さぁバン、ジン、何しようか」

あいにく掃除は終わってしまったし。ご飯を食べさせて昼寝でもしようか。

「じゃあご飯食べよう。何がいい?」

「ホットケーキがいい」

「ジンは?それでいいか?」

はい。と小さな声で肯定したから俺はホットケーキミックスに卵を入れ、ホットケーキを作りはじめた。

「拓也さん俺、ホットケーキ好き」

「そうか!じゃあ沢山食べろよ」

「はい」

焼けたホットケーキをバン達の前に置く。あぁ、飲み物も用意しないと。

「ジン、飲み物冷蔵庫から取って」

「…はい」

ジンに頼めば安心だろう。ジンはお茶を取り出すとコップに注ぎ、バンの前に置いた。そして自分の分をいれ、俺の分までいれてくれた。そしてジンは席についた。

「ありがとう」

「いえ…」

「ジン、美味しいね」

「そうだね」

バンがモグモグと頬張ってホットケーキをたいらげていく。おいしそうでなによりだ。

「ジン、進んでないぞ?お腹いっぱいか?」

「!…いえ、違います」

あまり食べないジンにそう声をかければジンは否定してからホットケーキを口に運びだした。

「まだ焼くか?」

「はい、お願いします!」

バンがキラキラと目を輝かせて頼んでくるから俺はホットケーキをまた焼いた。

「さ、それで最後だ」

バンの前に置くとバンがそれを凄い勢いで食べていく。ジンは…あれ?さっきの…だよな。まだ半分しか食べてないじゃないか。

「ごちそうさまでした」

「ジン、足りないだろ?というか食べないのか?」

「いや…」

ジンは今何を思ってるんだろう。全く解らない。事情が事情なだけにむすがしい。とてもデリケートで繊細だ。細かなガラス細工のように。

「なにかあるのか?」

「……大丈夫です」

そう言ってジンはホットケーキを口にした。飲み込む瞬間ピク、と眉毛が動いたがそれ以外はなんにも変わらない。

「足りるんならいいが…じゃあごちそうさまして」

「「ごちそうさまでした」」

「昼寝でもするか!」

「はい」

そう言うとバンがタタッとベッドに駆けていく。ジンは俺の後ろをゆっくりと。

「おやすみなさい」

「おやすみ」

バンとジンにはダブルベッドを買ってきて、一緒に寝てもらう事にした。本人達もそう言ったし、その方が安心できるのだろうと俺達も考えた。

「今日は俺もこの部屋で寝ていいか?」

そう聞くと遅れながらも了承の返事が帰ってきたから自分のベッドの上にあるマットレスと掛け布団と枕を取ってバン達の部屋に敷いた。

「ありがとう」

「いえ…おやすみなさい」

俺も布団に潜り込んで静かに目を閉じた。檜山のところは後で手伝いに行けばいい。

すぐに寝息が聞こえてきた。甘いものを食べたし血糖値が上がったのかな?俺も早く寝よう。
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