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□あ、夢じゃなかった
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過度の暴力表現があります。

















ジンの頬を力いっぱい殴った。理由なんてない。ただ殴りたかったから。あ、一つあげるとすればその赤くて鋭い目つきが気に入らないから。かな。

「っ!」

ズシャッと音を立て床に崩れ、滑る。あ、擦り傷が痛そうだな。

「痛いか?痛いよな」

CCMで誰かを呼ぶ前にそんな体力も奪ってしまおう。

「な…に…なんで…」

後ろから殴って気絶させ、気がついたら俺の家。その上いきなり殴られたとあれば意味がわからないのは当然か。

「うるさい」

起き上がったジンを再び蹴る。あぁ…なんて快感。そのまま頭を踏み付ける。その口からは血が滲んでいるが気にしない。グッと襟元を掴んで持ち上げる。体重は酷く軽かった。そしてベッドに放り投げ上に跨がる。

「に…する…」

鋭く睨みをきかせて起き上がろうと腕を着いたところにまた一発。

「うるさい…黙れ」

横にあったタオルで口を縛り、声を出せなくすると
ついでに手も縛ってやった。

「!」

暴れるからまた何回か殴った。いつからか顔が腫れ、身体にも痣が出来た。まぁ、別になんとも思わないけど。

「殺してやろうか?」

「はぁっ…はぁっ…あぁぅ…ぁあ!」

俺はジンの服を脱がせる。どれだけ殴っても目の鋭さは消えてない。そこがまたムカついたから生身の腹や肩を殴る。こいつは何て思ってるんだろ。まぁ別に知ったことじゃないが。

「いて…!」

ジンが俺の足を蹴った。僅かな力だが反抗して来るとは…。お返しにベッドに沈むまで殴ってやった。

「はー…はー…」

「なぁ…焼いてやるよ」

親から盗んできた煙草でジンの身体を焼く。もちろん怪我をしていないところだ。すると面白いくらいに焼けていく。ジュウゥゥ…と音を立てながら。

「んあぁあぁあ あ あ!!」

程よく焼けたところで場所を変える。次は背中。その次は腕。その次は………。

かくして全身を火傷と打撲でうめつくす。部屋には煙草の煙と肉が焼けた匂いが立ち込めていたがそんなのどうでもいい。
その時俺は不意に声が聞きたくなった。唾液でベトベトになり、苦しそうだったから。という理由でタオルを外してやる。

「ご機嫌いかが?海道ジン様?」

「んで………く…ん…」

最後は…首だ。ギリッと力を入れる。「ぅっ」とうめき声が上がったのを無視して力を入れ続ける。

「ぁっ…ぅ…るし…苦し…ぃ…」

「そうか」

「ぁ………や……ゃ、め…」

「………嫌だ」

「がはっ…ぅ…」

呼吸が出来ずもがく。大量の二酸化炭素と微量の酸素が行き来できずに詰まっている。細くなった気管から漏れるヒュー…ヒュー…という詰まった微かな音さえ俺を煽った。

「っう…ぁ゛、ぃ…」

「なんだよ…もうギブアップか?」

生理的に歪められ涙が止まらない瞳と溢れる唾液。

「はっ…!はぁっ…はぁっ…げほっ…げほっ!」

パッと手を離すとジンは息を吸い込んだ。おかげで大量の酸素が肺に入り噎せていたけど。

「痛いか?」

そう聞いてみるとただキッと睨まれただけだった。それが俺はまたムカついたから、また手の平を握りジンの顔を一発殴った。

「ぅっ!」

「痛いか?って聞いてんだよ」

すると倒れ伏せながらも小さくコクりと頷いた。それに満足した俺だけど。まだ欲は満たされない。まだまだ付き合えよ海道ジン。

「じゃあ………」










「ぅ…うわぁぁああ!!!ジン!!」

ガバッと起き上がる。今のは…夢?それでも最悪だ。あんな…殺人未遂…。

「あ、おはよう…!」

急いで学校に行くとジンは居た。俺は安堵の息をつく。

「ジン…大丈夫か?俺お前に何にもしてな…!その顔!どうした?」

ジンの顔に大きな湿布が貼ってあった。

「どうしたって…これは」

ー君がやったんだろう?ー
いやだ…そんなの…俺が…?

「少し…色々あって…その時についたものだ」

「え?」

俺じゃ…ないの?俺がした訳じゃない!

「なんだ…よかった…」

ガバッと抱き着く。よかった。

「ちょっ…!場所をわきまえ…」

「あ、あぁ、ごめん」





あぁ、これこそ夢なのを起きてから知る。だって横を見たら血まみれのジンが居たんだから。まだギリギリ生きてるけど。
まぁ、やってしまったものはしょうがないし。ごめんね?ジン。今手当してあげる。だからまた、殴らせて。

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