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□おかしな言動
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みんなおかしいよ。昨日まで仲良くバトルをしたりおしゃべりしたり、買い物にいったじゃないか。なのになんで!

「ジン!」

バン君が僕を見つけてじりじりと近づいて来る。後ろはもう行き止まりで逃げようがない。

「ねぇ、好き。好きだよ。大好き。愛してる」

さっきからそればっかり。みんなもそれを囃し立てるだけ。助けてよ。怖くて声も出ないのだから。

「ジンは本当に綺麗だね」

バン君が空いている左手で僕の髪を撫で、そのままするすると下に降り頬を触った。

「っ!」

冷や汗が背中を流れるのがわかった。心臓がありえないほど速く脈打っている。僕はどうすればいい。どんな行動をとればいい。

「ジン、綺麗で綺麗で壊したくなる」

「ぐっ!」

頬を撫でていた左手がガッと首を掴む。思わずうめき声が洩れる。

「ジン、ジン…好きだよ…大好きだ…でもね…」

「バン…君っ…がはっ」

「好きだからこそ…死んで?」

右手に持ったナイフを僕に突き立てる。左手の力は弱まったが壁に首から押さえ付けられている状況はかわらない。…ところでなぜ僕は告白されて殺されかけているのだ。おかしい。

「誰にも取られたくないんだ」

ナイフが服を切り裂いた。肌にナイフの尖端が当たる。少しでもバン君が力を込めれば僕にこれが突き刺さる。そう考えると余計に怖くて息が荒くなった。汗が止まらない。

「俺の物にしたいんだ」

バン君がナイフの腹をペタッと首に宛てた。ビクッと肩が跳ねる。これが刃の方だったら…?怖くて怖くて涙が溢れてきてどうしようもなかった。

「綺麗なジンのまま保存してあげるよ?」

「バン君…助けて…お願いっ…バン君の物になるから…殺さ…ない…っ!!」

「ごめんね、無理」

「…なん……で…っ…」

「ジン、好きだよ」




Fin.

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