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□君の見ていた僕は僕じゃない
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誰だって本当の俺は知らないよね。俺だって本当のみんなを知らない。
今見ているものは全て上っ面で、核心については誰も知らない。自分だけが知っている。人はみんな表面だけの付き合いなんだよ。

「急にどうしたの?」

「いや、誰かが言ってたんだ」

「…でもその通りだと思う」

「うん」

今横にいるジンだって何を思っているかわからない。ジンだって俺の思っている事はわからない。

「ジンは俺の事どう見えてる?」

「え?…改めて聞かれると難しいな…」

「そう?」

「でも、正義感が強くて、誰より仲間思いの優しい最強LBXの使い手。って感じかな」

なんだそれ。と笑うと笑わないでよ。とジンも笑った。確かに俺はLBXが好き。でも本当にそれだけ?いいやそうじゃない。暗い部分だって持ち合わせている。ジンが見ているのは俺の表面。ごくわずかな一部分だけなんだ。

「逆にバン君はどう見ているんだい?」

「俺?俺は…」

なんだろう。ジンをいつもどう見てるんだっけ。でも、いつも思うのは可愛いってこと。

「可愛い…し、LBXの天才だと思う。あとは賢いし運動できる…冷静?」

「ふむ…よくわからないな…でも可愛いって…」

バン君はかっこいいけど僕は可愛いくないよ。と言ってくるから可愛いと念押しする。

「なんだかよくわからないね」

「ああ」

「俺にはまだ難しいや」

「でも、たとえ表面だけ見ていても、こうやってバン君と過ごせている。それだけでいいんじゃないか?」

「そうだね」

そうだ。たとえ表面だけでも俺はジンの事を沢山知っているし、ジンだって俺の事を知ってくれている。ジンの見ていた俺が俺でなくても今の関係が続けばそれだけで幸せだから、今は深く考えないことにした。


Fin.

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