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□だって可哀想
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いっぱい殴った。きっと痛いと思う。だって呻いてるし。泣いてるし。腫れてるし。
「ぅ…ぅ…」
「ジン大丈夫?」
シーツが血だらけ。ジンったら生理?女の子だったの?お腹を殴られて下から出ちゃったのかな。
「でもジンが悪いんだよ?」
「ごめん…なさ…う゛っ!」
「謝るなよ。謝っても意味ないから」
ジン、さっきから言ってるでしょ?謝っても意味ないって。謝るくらいなら俺を愛してよ。
「バン…く…」
「なぁに?」
「なんで…こん…な…ぐっ!がはっ!」
違うでしょ?理由なんて聞いてどうするの?馬鹿じゃないの?
「ジン、馬鹿なの?」
「はぁっ…はぁっ…」
「俺が求めてることはなに?」
ガッと首を掴んだ。ジンの肩が跳ねる。そう。怖いだろ?だから早く、俺のものに。
「バン…くん…」
「なぁに?」
「好き」
首から手を離す。そうだよジン。言えるじゃん。よくわかってるね。
「俺も好きだよ」
ああ、俺達両想いだもんね。手当しなきゃ。ごめんね。ジン、痛いよね。すぐ救急箱取って来るから。
走って救急箱を取りに行く。そうして取ってジンの所に戻る。大丈夫。ちゃんと手当してあげるよ。
「大丈夫だよ。すぐ治るからね」
ほら、ちゃんと手当てしてあげる俺ってすっごく優しいよね。
(バン君、君はこんなにも心を痛めてしまって。それなら僕はどこまでも付き合おう) だって可哀相。
Fin.