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□会えなくなるのは悲しいけれど
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会えなくなるのは悲しい。寂しいし何より毎日見れないから。けどね。誰のものにもならない。俺だけのものになるとしたら?それってすっごく素敵なことに思えない?

だからどうしよう。みんなと隔離して俺だけが見れれば一番だけど、俺がそんなことやったって知れたら俺は嫌われちゃうかもしれない。それは絶対に嫌だ。それなら死んだ方がまし。
だから隔離するのは断念。勿論監禁もね。
だからさ、殺しちゃったらどうだろう。って思ったわけ。死んだらまわりのやつらとは関わらないし、俺とも話してくれなくなるけど、俺が所有する限りは俺のものなんだから。
でももし死体を見られたら。俺は警察に行かなくちゃならないし、そうなれば死体の管理も出来ない。これはこれでなかなか難しいな。あ、そうだ。埋めちゃうのはどうだろう。そうすればいつの間にか骨になるし。んーそれじゃあ窒息して苦しめちゃうか。やっぱり事故に見せ掛けるしかないのかな。

「例えば…」

これ。キャンプに誘ってその時にこの薬を混ぜるんだ。気分が悪くなってきたところで救急車を呼ぶ。きっと解毒剤はまだないから死んじゃうだろうね。この薬は自然のものからしか出来ていないからきっと事故に見せ掛ける事は出来るだろう。
遺体は勿論国に許可をもらって俺の家に持ち帰るよ。天涯孤独だし誰も引き取らないだろうからね。俺は一人暮らしだし、許可もあるし全然大丈夫じゃないか。中学を卒業して別々の道に進んだ。大学を卒業してからよく会うようになったけど。父さんとLBXを作ってお金だけは膨大にある。ちゃんと死んでも管理してあげるよ。
あ、そうだ。死ぬ前に髪とか肌とかDNAがわかるものを少し取っておいてクローンなんて出来ないのかな。小さな子供からでもいいし、今の大きさでもいい。監禁して、とにかく俺だけを好いてくれるように育てるから。あれ、それが出来るなら記憶をなくさせるだけでいいんじゃないか。そうだよ。なんで早く気づかなかったんだ。殺さなくても記憶をなくせばいいじゃないか。何もわからなくすればいい。また1から教えればいいんだから。外の世界はないことに。俺以外信頼できる人はいない。ここでしか生きれない。と。記憶を取り戻した時が不安だがその時は殺してしまえばいいんじゃないか。なんだ。そんなに深く考えなくてよかった。
じゃあ、今から記憶を忘れさせるために、何をするか考えようかな。



Fin.

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