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□それが私の人生ゲーム
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人生ゲームというのは難しいゲームだと思う。
だって後少しでゴール。だと思えばその前に大きな大きな落とし穴が待っているんですもの。

「はぁ…」

小さくため息をつく。いくら成績がよかったって、先生のウケがよかったって。私には越えられない壁がある。

「アミ!行こう」

「ええ」

バンに誘われてカズを迎えに行く。途中でジンを誘ってキタジマヘ。

「さ、バトルだ!」

みんなは中学になってからどんどん成長していく。骨太になって声も大人びていく。私は一人取り残される気がした。

「行け!オーディーン!」

「迎え撃て!ゼノン!」

そんな気持ちを振り払うようにバトルして、勉強して、少しでも追いつこうとした。でもすぐに取り残される。

「アミ!」

「あら勝てるのかしら?」

「フェンリルもカスタマイズしてきたからな」

「勝負よ!」

「望むところだ!」

「GO!フェンリル!」

「応戦よ!パンドラ!」

CCMにコマンドを打ち込みながらも、考えてみる。どうやったら取り残されないか。みんながゴールしてしまって私一人落とし穴に落ちない方法。私も一緒にゴール出来る方法。

「いけ!オーディーン!」

「やるなバン君!」

バンとジンが白熱したバトルを繰り広げる中、私とカズは静かにバトルをしていた。

「あのさ、アミ」

「なぁに?」

「あんまり頑張りすぎるのもどうかと思うぜ?」

「え?」

「俺らはいつでも一緒だろ」

「…そうね、当たり前でしょ」


(今、ゴール出来た気がした)

Fin.

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