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□お花見しようよ
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春だなぁ…。なんてポカポカと太陽に当たりながら思う。

「バン君」

「ん、あジン!」

後ろから声をかけられて振り向く。するとそこにはジンが。

「ねぇ、それは?」

「これ?お団子だよ。バン君と食べようと思って」

ジンが持っていた和菓子の包みを俺の横に置いた。俺はジンを隣に座るように促すとジンはすぐに俺の横に座った。

「でもなんで団子なの?」

「いや、バン君とお花見でも…と思ったんだが、桜の近くにはいなかった」

ジンが指を指す方向を見ると花びらがハラハラと舞って、またこれでもかというくらいまで満開になった桜が4.5本どっしりと構えていた。芝生の上で寝転ぶのもいいが、ジンとお花見出来るなら断然その方がいい。

「ああ、そっか。じゃあ行こうよ桜の近く」

せっかく隣に座ってもらったが、ジンの腕を引いて桜の方へ歩く。

「綺麗だね」

「ああ」

ジンが団子を広げるから俺はそれに手を伸ばす。パクりと一つ食べると甘い味が広がる。

「美味しいかい?」

「うん」

それはよかった。とジンも団子に手を伸ばす。二人で団子を頬張って、またごろりと寝転ぶ。

「なんで桜に気がつかなかったんだろ…」

「え?だってバン君ったらずっと寝転びながら小さい子のLBXバトル見てたじゃないか」

「えっ」

「えっ」

そ、そういえばそんな気もするな…。微笑ましい光景だった。それからは…ジンを見てたんだっけ。あーそうだ。

「そうだそうだ」

「でもバン君があまりにも気持ち良さそうで」

用事が済んだらすぐに行こうと思って、とジンが微笑みながら言った。それが綺麗で目を少し細める。

「そう?」

「うん。そろそろ桜の近くにいるかな?と思って来たんだけど」

「気づかなかったんだ」

「そっか」

またジンが微笑む。その時暖かい風が吹き抜けて桜が舞い上がる。

「!」

桜がハラハラとジンと俺にふりかかってより一層ジンが綺麗に見えた。
少なくとも…もしかしてジンって本当に天使とかの類なのかなって思うくらいには。

「キスしていい?」

「え?…うん、いいよ」

チュッと唇を奪おうとして頭を引き寄せる。触れるだけのキスをして微笑み合う。ああ綺麗だ。


(綺麗だね…(ジンが))

(うん、綺麗だ…(桜が))


Fin.

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