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□構ってよ
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ダックシャトルにジンが来てからというものヒロとランとジェシカはジンにべったりだ。確かにかっこいいし、綺麗だし、一緒に居て楽しいし、LBXも強いし、俺も大好きだけど、ジンは俺のだ!!
「ジンさん、バトルしませんか?」
「ああ、構わない」
「それじゃあ僕用意してきますね」
ヒロが駆けて行って次はジェシカがジンに声をかけた。また俺のチャンスがつぶれた…。ジンと話せるのなんていつも寝るときしかないよ。
「ジン、お菓子作ったんだけど味見してくれない?」
「ああ、わかった」
さっきから甘いにおいがすると思った。というか、俺にはなしかよ。でもジェシカの作るお菓子は美味しいからな。後で俺ももらおう
。
「…どうかな?」
「少し粉っぽい気もするが…おいしいよ」
「やっぱり…オーブン不調なのよね…あ、ジンありがとう」
「ああ」
あ、ジンがあいた!次俺の番!ダッとジンに駆け寄ろうとしたときランがサッと割り込んできた。目の前に綺麗な赤い髪が立ちはだかる。
「ジン、」
「なんだ?」
「ちょっとこの問題教えてくれない?」
「どれだ?」
「これなんだけど…」
あー。とか言ってジンがなにやら説明する。俺に聞いてもよかったのに、まさか馬鹿っぽく見られてるとか?
「そういうことか!ありがとジン」
ランはわかったみたいで、またプリントを解いていく。ランって賢いのかな?
「ああ」
よし、こんどこそ俺だ!周りを警戒してジンに近づく。ジェシカもランも自分の事に集中してる。
「ジ――…」
「ジンさん!準備できました!」
嘘だろ。このタイミングでお前来る?いつになったら俺はジンと話せるんだ。ヒロは早く早くと急かさんばかりにジンを待っている。
「ヒロ!ありがとう。すぐいくよ」
ジンはそう言うと開いていたCCMを閉じそれをポケットに突っ込んだ。トリトーンは寝室にあったからそれをとってから行くんだろう。
「はい!」
ヒロがまた奥の部屋に戻っていく。そしてジンも立ち上がった。あー、もういいか。また暇そうなときで。
「はぁ…」
「バン君」
え、ジンから話し掛けてきた!嘘!びっくりした。でも嬉しいな。このまま話していたいけどヒロが待ってるわけだし。
「バトルが終わったら寝室で待ってる」
そう俺の耳元で囁いてジンはヒロのところに向かった。…なんだ、俺が話したいってこと気づいてたんだ。でも、誘われたのは俺一人。これって…結果オーライな感じ?
Fin.